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2015年2月8日日曜日

クレメンティア蒲田

先週木曜日の夜、職場の近くのホテルに泊まり込みました。
翌朝ぜったいに遅刻できない重要な仕事があり、天気予報では翌朝積雪のおそれありとのことだったので、何が起きるかわからない車通勤はまずい。

せっかくの機会なのでひとりでちょっとだけ贅沢にコースを食べ、 
早寝するためにベロベロに酔っぱらうことにしました。


というわけで夕方チェックインしたあとで

近くのイタリアン 「クレメンティア蒲田」に。 



蒲田には「聖兆」という文句なしにすばらしいイタリアンの店があったのですがなくなってしまいました。
「オステリア・ウン・パッソ」はおいしい正統派ですがちょっとお高いし店が狭苦しい。
新しい店を開拓したくてネットで調べて「クレメンティア蒲田」に目星をつけました。

コースと言っても店が準備したコースではなくアラカルト。好きな物を注文しました。 


前菜に「野菜のバーニャカウダ」と「サーモンのタルタルサワークリーム添え」。 


バーニャカウダソースは色が薄いアンチョビ控えめなものをグツグツ煮立てたもの。 
なかなか。 


サーモンはスモークサーモンの切り身にソースがかかったのを予想していたのですが、 
刻んだサーモンをタマネギやらと混ぜてシェルクルで丸く固め、 
その上にサワークリームが乗っかっていて、薄切りのカリカリパンにつけて食べる。 

おいしかったのだけれど、ディルがほんのちょっと乗っているだけ。 ディルの香りが苦手な人を考慮したのでしょうか。 
でもせっかく乗せるのならもっと乗せないと意味がない。 そこが物足りない。というか躊躇(ちゅうちょ)が感じられる。 



ここまででグラスワイン1杯。 
無難にシャルドネを頼んだのですが物足りない味でした。 
白のグラスワインの選択肢は二つしかなくて、 
もうひとつの白の説明を読むと、使っているブドウのひとつが「マルヴァジア」。 


去年夏のギリシア旅行記に書いたのですが、
アテネのおいしいタベルナで出会ったべらぼうにおいしい白が 
「マルヴァジア・アロマティカ」。 

そっか、「マルヴァジア」はブドウの品種なんだ! 
とわかったので2杯目はこれにしました。 

アテネで飲んだ白にははるかにおよびませんが、
記憶の中の「いろんな花のブーケ」と共通する花束のような含み香がかすかにあります。 
これがマルヴァジアの特徴なんだろうと思います。


その辺りで 「トリッパのトマト煮」がやってきました。 

何度か書きましたがトリッパのトマト煮で料理人の腕というかセンスがわかる(とわたしは思ってます)。 

内臓の臭みをどこまで取るかの勝負です。 
取りすぎたら内臓のうま味がなくなってしまう。取りが足りなかったらくさい。 
その加減が腕の見せどころじゃないでしょうか。 

「クレメンティア」はその加減が絶妙です。 
ただし、残念なことにオリーブオイルが足りない。 



ここでワイン3杯目。肉料理が控えているから赤。 
「フルボディー」と書いてあったのを頼んだのですがボディーが腰抜け。 
まずくはないんだけど肉に完全に負けてしまいます。



「鶏肉とポルチーニ茸のクリームソース・フェットチーネ」はおいしいです。 
塩加減がわたしにぴったり。 
でも写真で見てわかるとおり、彩りがたりない。 
イタリアンパセリをもっと散らして欲しい。 
サーモンもそうなんだけど、この店、香草の使い方がいまいちです。 



クリームソースが皿に残ったのでパンを頼みました。 
おいしい自家製パン。 

だけれど4切れのうち2つがブドウパン! 
こういうときのパンはソースをすくうものだと思います。 
ブドウパンは不向き。 
また、
脇にオリーブオイルが添えてあるのですが、 
もう1種類のパンともども、オリーブオイルをつけて食べるのにも不向きです。 

なんか、おいしいんだけどポイントがちょっとずれてるなー、と感じました。 


メインのカルネ(肉)は、
腕を見たくて定番の「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み」。 
これはなかなかのもの。 

量もしっかりある。
手をつけてしまったあとの写真
盛りつけはきれいでした
腰抜け赤ワインを早く片づけようと飲んでたら酔っぱらってきたので、写真を撮る前に手をつけてしまいました!


食後酒としてグラッパを注文。
度数の高いグラッパはたいていほんのちょっぴり出てくるのですが、 
店の人とおしゃべりしてたせいなのか、大サービスの量でした。 

香り高くおいしいグラッパ。 
予定通り飲んだくれることができました。 



店は清潔感があります。 

ガラス張りのテラス席。 
春になったら洩れてくる陽の光が気持ちよさそうだなと思いました。 

天候のせいか客はわたしのほかに一組だけ。 



食べて飲んで8000円くらい。 
ひとりで食べると当然割高になります。何人かで来ればもっと安くなると思います。

味は悪くないのでリーズナブルかな。 



ワインが物足りないな。 
一人なのでグラスワインしか頼めなかったので、 
フルボトルのセレクションにはいいものがあるのかもしれません。 

でもグラスワインはその店のワイン観のおひろめみたいなところがありますから、 
あまり期待しない方がいいのかもしれない。 


「食べログ」には店員さんへの不満を書いた口コミが複数見つかりましたが、

わたしが行ったときにかぎれば、店員さんとのおしゃべりは気持ちいいものでした。 
ワインのことや料理のことや、くったくなくなくおしゃべりできる。 
楽しい時間でした。 

ホテルに帰って風呂に入ったらそのまま熟睡。 
ひさしぶりに8時間寝ました。 

1 件のコメント:

  1. 「聖兆」をイタリアンと書いてしまいました! 中華です。でもこのまちがいにはちゃんと理由があって、「聖兆」はわたしから見るとイタリアンを下敷きにした中華だったのです。どこかで店を再会してるんだろうか。再会してるんだったら是が非でも行きたいっ!

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