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2013年3月27日水曜日

豚バラ肉のバルサミコソース

吉祥寺駅ビルの肉屋で「豚バラ肉の塩麹焼き」を買った。塊肉です。 


これをなんとかしようと思って 
「豚バラ肉の重ね焼きバルサミコソース」 
というものを作りました。 


少し前の「アイアンシェフ」で鉄人脇屋友詞が、豚肉と椎茸とミモレット・チーズをミルフィーユみたいに重ねてサラマンダーで焼いた料理を作っていた。


それを自分流にアレンジできないかと思っていたので、 
塩麹焼きを厚めに切ってオレガノをかけてフライパンでうっすら焦げ目をつけ、 
そのおいしい脂がしみ出た同じフライパンで椎茸とトマトを焼きました。 
豚肉を一番下にして、椎茸、ミモレット、焼きトマトを重ねてオーブンで焼き、 
上にクレソンをあしらいました。 



問題はソース。 
 

オリーブオイルとバルサミコだな、とは思っていたのですが、 
作りながら迷った。 
バルサミコに少量のオリーブオイル、これに何を足すか? 
ひらめきでウスターソースとほんの少しのナンプラー。 

大正解!!! 
しかも10分ちょっとでできた。

ちょっとお高いイタリアンみたいな味になった。
ふふふ。 





あとはカボチャとクリームチーズのサラダ、
鶏胸肉と青菜と白タマネギのグリーンサラダ、 
残り物のタケノコとフキの煮付け。 

お酒はまず 
「スマロッカ・カヴァ・ロザート」。 
花見に飲もうと桜色のロゼのカヴァを選んで買った奴なんですが、 

結局花見に行きそびれた。で、家で飲んじまった。 


スペインはカタルーニャの、ピノ・ノワールで作ったスパークリングワインです。 
あとから炭酸を加えているのではなく、シャンパンと同じようにきちんと作ったカヴァです。
本格的においしい。しかもシャンパンよりうーーーーんと安い。 








そのあとは「ボデガ・モンテヴィエホ・カリプソ・マルベック」。 
アルゼンチンの赤です。 

マルベックというブドウの品種は知らなかったので興味があって購入。 
香りはたいしたことないけど柔らかで味わい深い上品な赤。 




どちらも安酒だけどおいしい。けっこう豊かな夕食になりました。 

2013年3月11日月曜日

四川風麻婆豆腐


 言うまでもなく、陳建民が日本に広めた料理。
 1985年に出た陳建民・健一『中国の家庭料理入門』(『暮らしの設計』167, 中央公論社)では、肝心のポイントをぼかして書いてあった。

 わたしは、旧「料理の鉄人」で陳健一が仕上げに大量の山椒を振っているのを初めて目撃した。今では常識だが、その頃はまだ知られていなかった。
ま、四川飯店で食べた客はわかっていたとは思うが。

 陳健一は「料理の鉄人」を通じてものすごく変わったと思う。
以後の本では山椒を振るのをちゃんと書いているし、テレビでも大事なポイントを公開するようになった。レシピを開かしたってぜんぜん大丈夫、という自信がでたのではないかと思っている。



 今日は、荒々しくスープ少なめで作りました。四川のおっさんが安いホーローの食器なんかにガーーーっと盛って、地べたにしゃがみ込んでかき込むイメージ(実際に見たことないけど)。

 ふつうはもうちょっとスープがあった方がいいと思います。
ですので、分量のガラスープは写真のより多めです。

左端が四川豆板醤。今日はふつうの豆板醤を半分にして
手前の麻辣醤を半量使った。
やっぱり「四川豆板醤」はあった方がいい。ふつうの豆板醤より色が濃くて、同量の水で練り溶いて使う。ネットで買えます。

それとふつうの豆板醤も併用する。
これが難しくてメーカーによって塩加減が違う。
ま、味見すればいい話ですけど。

それと、気合いが必要ですが
豚挽肉ではなく、羊のロース肉の塊を中華包丁でガンガン刻むのが本式のようです。
そのうちやってみよう。今日はもちろん市販の豚挽肉です。
ただし、
餃子の挽肉は脂身が多い安物の方がおいしいのですが、麻婆豆腐は脂身が少ない方がおいしいです。



四川風麻婆豆腐の作り方


《材料(4人前)》
木綿豆腐    1丁半
豚挽肉     300g
白ネギ     1本弱
紹興酒     適量
オイスター・ソース  適量
ゴマ油または鶏油    適量
片栗粉     適量を水に溶いておく
サラダ油    大さじ3
ニンニク・ショウガ  各1片
ガラスープ   300cc


(ソース)  
四川豆板醤   大さじ1杯半
豆板醤     大さじ1杯
甜麺醤     大さじ1杯
豆鼓(トウチ) 大さじ1杯半
醤油      大さじ1杯半


 【1 材料の準備】 
 (1) ネギ、ニンニク・ショウガ、豆鼓はみじん切りに。
わたしは白ネギの青い部分がけっこう好きでよく使います。
 (2) 木綿豆腐は1.5cm を目安に切って中火で茹で、ザルに空ける。
重しで水切りをしたあと切るというやり方もありますが、わたしは最近面倒くさくて茹でてしまいます。いずれにしろ、豆腐を固くするわけです。


【2 炒める】 
(1) 中華鍋を煙が出るまで熱してからサラダ油を入れ、油が熱くなってから挽肉を入れる。強火です。
パラパラになるまで炒める。これ、かなり重要です。
パラパラになったら挽肉を脇に寄せて、空いたところにニンニク・ショウガを入れ、一呼吸したら挽肉と混ぜる。ニンニク・ショウガをあとから入れるのはけっこう大事です。

(2) ソースを加えて炒める。
肉にしっかり味をしみこませます。目安は油が透明になるまで。焦げつきそうなら火を少し弱めてもいい。


【3 豆腐を入れる】 
(1) スープを加え、豆腐を入れます。
ここから先は、杓子で豆腐をできるだけいじらないようにする。我慢して最小限触るだけ。触るときは杓子の背を使う。
(2) 紹興酒とオイスター・ソース(あくまで控えめ)で味を調える。


【4 仕上げ】 
(1) ネギを加え、そーーーっとひと混ぜしたら水溶き片栗粉を加える。
ここから大事なポイント。
とろみがついてもすぐに火を止めない。杓子で優しく混ぜながらしばらく(15~20秒くらい?)我慢する。
(2) ゴマ油または鶏油を加え、大量の粉山椒を振って完成。




エビと空豆のXO醤和え


料理と言うより前菜またはつまみ。
スペインの小皿料理で、生ハム(ハモン・セラーノ)と空豆を合わせただけの奴があります。けっこうおいしい。

それを中華風にアレンジしました。
エビと空豆だけでもいいのですが、なんとなく空豆だけだとモチャモチャする気がして
歯触りの変化をつけるためにキュウリとセロリを加えました。
セロリは小量だったのでめんどくさくて蒸し茹でる下処理をしなかった。
まあ、なくてもいいかな。
キュウリはあった方がいいと思います。ただし、主役は空豆なので控えめに。


量は適当です。ソースはあくまで比率の参考にしてください。


エビと空豆のXO醤和えの作り方


《材料(3人前)》 (つまみだから量はいいかげん)
えび      適量(一つかみくらい)
空豆      適量(でも主役ですのでそれなりの量を。冷凍でも可) 
キュウリ    1/2本
セロリ     1/3本
香菜(シャンツァイ)  2株
紹興酒(または純米酒) 適量
ショウガ    1/2片

(ソース)  
XO醤     大さじ1杯半
醤油     小さじ1杯半 
酢      小さじ1 
ゴマ油(またはネギ山椒油)  適量


 【1 下準備】 
 (1) 空豆は茹でて皮をむく。
 (2) キュウリはめん棒などでガンガン叩いたあとでザク切りにする。めん棒で叩くのはソースが絡みやすくするためです。
(3) セロリは薄くそぎ切りにする。
(4) エビは背わたがあれば爪楊枝で取ったあと、縦半分またはふたつにそぎ切り。今日使った冷凍エビは背わたがなかったのでそぎ切りにしました。縦半分にした方が背わたが取りやすいかも。
(5) シャンツァイは刻む
(6) ショウガは皮をつけたまますり下ろす。

 【2 エビを茹でる】 
鍋にエビがかぶるくらいの湯を沸かし、紹興酒(または純米酒)を垂らし、おろしショウガを入れてエビを湯通しする。
鍋ごと流しの蛇口の下に持っていって水をかけ、エビをザルに空ける。鍋はそのまま水で洗う。(鍋ひとつで済ますためです)

特に冷凍エビを使う場合には、この下処理で臭みを抜いた方がいい。軽く塩を振って片栗粉をまぶしてもみ、洗い流す、という方法でもいい(もちろんそのあと湯通しします)。



【3 和える】 
ボールにエビを入れ、ソースの材料すべてを入れて混ぜる。
海産物を使うサラダとも共通するのですが、ドレッシングやソースを海産物のあとからかけ回すのではなく、先に海産物を混ぜておくのがポイント。海産物の旨味を全体にまわすためです。そのあとで野菜を入れて和える。


今日はゴマ油を使いましたが、ネギ山椒油が望ましい。
ネギ山椒油は、サラダ油に白ネギの葉の部分・ブツ切りのショウガ・実山椒を加えて中火でじっくり香りを移して漉したもの。炒め物にも使えます。

わたしはこれと、脇屋友詞さんおすすめの、ミカンの皮1個分を加えたものの二種類を作っておくのですが、あいにく今日は両方とも切らしていました。

ネギ山椒油を使う場合は香菜(シャンツァイ)なしの方がいい。
香りがけんかすると思うので。

野菜を和え、上に香菜をのせて完成。




2013年3月10日日曜日

鶏もも肉のゆず胡椒ソース

 使っている方が多いと思いますが、 奥園壽子『ズボラ人間の料理術』(サンマーク出版 2001年、現在サンマーク文庫)はけっこう衝撃的でしたね。
痛快。「すし飯づくりにうちわはいらない」という指摘をはじめとして目から鱗の連続でした。 

特に重宝しているのが野菜を蒸し茹でる方法。 
これを知ってからホウレン草のおひたしをあっという間に、しかもおいしく作れるようになった。 わざわざ茹でてまずくしてなのがあほらしく思えます。


  今日の料理は、奥園流鶏皮にヒントを得てわたしなりにアレンジしたものです。 つけ合わせの野菜は蒸し茹での技法そのものです。奥園壽子先生に感謝! 

鶏の皮は旨味がつまっていて、これを取っちゃうと味が腑抜けになる。
でもあのブヨブヨ、グニョグニョが苦手だという人は多い(わたしは平気だけど)。
この料理は皮がパリッとおいしくできます。皮が苦手な人も大丈夫。


  ポイントは塩加減。 

「肉は塩なんです。しっかり塩味をつければソースの味を変に濃くしなくたって大丈夫なんです」 

という川越シェフがよく言うことばは肉料理の本質を言い当てている名言です。 たしかに上等の鶏もも肉は、山椒と塩をしっかりつけてオーヴンで焼くのがいちばんおいしい。 



この料理は上等の鶏もも肉でなくてもおいしい。 
しかーーーし!! 
ゆず胡椒はけっこう塩が強い(メーカーによって若干差がありますが)。 

だから、ふつうの肉料理の感覚より控えめに塩味をつける。 
そこがポイント。 
どのくらいの分量かと言われても困る。 好みは人それぞれだし、体調によっても変わる。そもそもどんな塩を使うかで塩加減が変わるのは当然。 (どんなレシピだって分量はあくまで目安です。醤油だって銘柄によって分量は変わる。わたしはブログでは一応書いているけど実際には正確に量ることはありません) 1,2回作ってみて自分の舌でピタッとくる量を決めるのが基本でしょう。 




鶏もも肉のゆず胡椒ソースの作り方


《材料(2人前)》 (もも肉1枚ペロリと食べられる人だったら1人前)
鶏もも肉    1枚
聖護院大根   適量(ブロッコリーでも可) 
パセリ     適量
塩胡椒     適量
白ワイン    大さじ3(純米酒でも可)

(ソース)  
ガラスープ  適量
生クリーム  50cc 
ゆず胡椒   小さじ1  


 【1 材料の準備】 
 (1) パセリはみじん切りに。
 (2) 鶏もも肉は皮に塩胡椒しておく。

 【2 つけ合わせの野菜】 
これは奥園壽子流「蒸し煮」。
今日は聖護院大根があったのでこれを使いました。ブロッコリーでも可。
かならず薄切りにしてください。

フライパンに大さじ1杯の水を入れて沸騰させる(ブロッコリーだと2杯)。
聖護院大根を並べて入れたら蓋をして30~50秒蒸し煮にして皿に取る。


【3 鶏もも肉を焼く】 
(1) フライパンに鶏もも肉を皮を下にして置き、中弱火でじっくり焼く。
しっかり焼き目がついた
皮をフライパンにぺったり貼り伸ばすように置くのがポイント。油は使いません

(2) 皮から油がジミジミしみ出してきます。焼き目がつくまでしっかり焼きます。

(3) 裏返して白ワイン(または純米酒)大さじ2を加え、蓋をして中火で蒸し焼きにする。皮からしっかり焼いているのでそれほど長くはかからないと思います。

(4) 焼き上がったら皿に盛る(切り分けてもそのままでもよい)。


【4 ソースを作る】 
フライパンは洗わずに、ガラスープ、生クリーム、ゆず胡椒を入れて沸騰させる。
沸騰したら白ワイン(または純米酒)大さじ1を加え、二呼吸置いてパセリを入れて火を止める。


【5 仕上げ】 
鶏もも肉にソースをかけ、つけ合わせの野菜をあしらって完成。