朝夕は涼しくて仕事や読書もはかどります。
来客は二組。
車で食べにでかけるのとわたしの手料理の半々くらいだったかな。
最初の来客のときには
イタリアン 「ラ・フェリチタ」で夕食。
山小屋から車で30分くらいかかるのですが、
近くに眺望のいい町営温泉もあります。
ここはちゃんとしたローマ料理を出します。
リーズナブルでおいしい。
大きな建物だけどいつも賑わっている。
よく行くそば屋「大梅」は
今のところ安曇野のそば屋No.1です。
山小屋から徒歩15分なので、
一人のときは日本酒を飲むために、車じゃなく歩いて行く。
日置桜とお新香 |
店主は酒を飲まないそうですが、「日置桜純米」を置いてる。
酒好きの客が勧めてくれたそうですが、いいセレクションです。
日本酒を頼むと自動的にお新香のつまみがついてくる。
けっこうな量です。
「おまかせ」。そのときどきで 料理は変わります。 |
そばは麺もつゆも極上。
客と来たときには「おまかせ」というツマミを頼む。
9品の手間のかかった料理が盆に満載されてます。
一人でうっかり頼んだりすると食べきれません。
そばのあとにも自動的にサービスの煮物が出ますから、
日本酒とそばだけでけっこうお腹がふくれます。
ここのそば湯は薄くてサラサラしている。
濃いそば湯を出す店のそばは駄目なんだ、ということを
ここではじめて知りました。
トイレの花 |
トイレ洗面台脇の ひまわり |
それからここはトイレが好きです。
広くていつも季節の花が美しくいけてある。
旧盆前後はやはり人が多くてどこの店も入るのに苦労します。
「大梅」はおいしいのだけれど天ぷらがない。
ある日、天ざるが食べたくなって車でまわったのだけれど、
「あさかわ」は早い時間なのに臨時駐車場までいっぱいで入れない。
後述するふつうの味のそばや「双葉」もいっぱい。
「石松庵」は景色だけがとりえで割高だから行きたくない。
そばをあきらめてフレンチ「ボン・ヴィヴァン」に向かいました。
旧盆だから無理だろうなと思っていたら入れた!
やったー!!
「ボン・ヴィヴァン」 |
鹿肉のパテ |
これがすばらしかった。
野菜料理が一皿出たあとにメインの魚3種。
いつもどおりふつうにおいしい。
クリーム・ブリュレ |
デザートは定番のクリームブリュレ。
ここのはおいしいです。
パリパリの表面をスプーンで割って食べる。
ちょっと贅沢な昼食でしたが満足。
二組目の来客とともに昼食を取ったのが穂高駅近くのそば屋「上條(かみじょう)」。
失敗だった。
混んでいる上に、手際が悪くて待たせすぎ。
テレビの「夏の安曇野の旅」みたいな番組があると必ず紹介される店です。
そば粉と水にこだわった店、ということになっている。
実際、こだわってるんだと思う。
だけど味はたいしたことない。
手前左が意味不明の水そば |
そばの脇に「水そば」が添えてあって、
「ぜひこのままお召し上がり下さい」
と言う。
水にそばを入れただけ。
こだわりのそばと水なんだろうが、ちっともおいしくない。
意味がわからない。
つゆにつけて食いてーぜ!!
つゆもたいしたことないけど。
何よりも待たせすぎ。
以前、一度来たことがあって、観光シーズンじゃなかったので待たされなかった。
なので「ま、ふつうのそば屋だな」という印象だったんだけれど。
今回は混んでたので手際の悪さがはっきりわかりました。
来客一同、文句たらたら。
「ボン・ヴィヴァン」のそばにイタリアンができたんだよ、
と隣家の人が教えてくれたので、
「上條」の汚名挽回のために、夕食はそこをトライしました。
「ボン・ヴィヴァン」のほんとにすぐそば。
「Classico」 |
「Classico(クラシコ)」と言います。
悪くない。
静かで落ち着いた店内。
わたしは3,500円のコースを頼みました。
車なので「エルダーベリーのシャンパン風」という
ノンアルコールを頼みました。
これがすばらしかった。
エルダーベリー(にわとこ)の独特の香りがふわりと立つ。
エルトン・ジョンの「エルダーベリーワイン」という歌が思わず頭に流れる。エルダーベリーワイン、飲んだことないんだけど。
前菜。器の選択がいい。 |
前菜と野菜料理はふつうにおいしい。
「ふつうに」というのは料理のレベルでの話。
ただ、東京の「ふつうにおいしい」店と違うのは野菜の質。
その分点数がぐっと上がります。
コーンポタージュは安曇野のおいしいトウモロコシを使っていて、
「ボン・ヴィヴァン」でも出すのですが、
わたしは「クラシコ」の方が好みです。
適度に粒を残していてトウモロコシが活きている。
わたしは出されたパンはすぐに食べないで、
麻薬のようなバター! |
パスタソースや肉料理のソースをぬぐって食べるために取っておきます。
今回うっかりバターをつけて一口食べてしまった!
麻薬のような自家製発酵バターです。
あまりのおいしさにパスタが来る前に食べてしまってパンのお代わりをしてしまいました。
イカ墨のパスタはかなりおいしい。
イカ墨が新鮮で香りがいい。
ただしパスタの茹で方はわたしには固すぎる。
日本のイタリアンにありがちな「誤解されたアルデンテ」だと思います。
わたしの乏しい体験では、イタリアで固いパスタに出会ったことはない。
茹で上がりがかすかに芯のあるアルデンテで、ソースと絡めるうちにほどよい固さになる、というのが本来の「アルデンテ」の意味だと思うのですが。
イカ墨のパスタ。 写真で見ても固さがわかります。 |
「子兎のトマトソース」。
これはほんとにおいしかった。
デザートのカシスのソルベ |
大満足だったのですが、
安曇野としては値段がやや高いと思います。
上の「ラ・フェリチタ」の方が気軽だし、ざわざわした雰囲気が楽しい。
イベントとして訪れる店かな、と思います。
恋人と安曇野に旅行するならお勧めの店。
予約は絶対に必要です。
最後はちょっとした事件。
9月になってから、
隣家の人が「松の大木がお宅に倒れかかっている」と連絡をくれました。
すわ一大事。
週末に妻と様子を見にでかけました。
屋根に当たっていたら大ごとだし、
修理を頼むのも手間がかかります。
おそるおそる山小屋に近づくと。
屋根にはかかってなかった!
写真のように二階の外壁に寄りかかっていました。
とりあえず安心したのですが、
これを処理するのは一仕事です。
パワーをつけなくては、
と昼食を取りに。
観光シーズンのピークを過ぎたのでしょう、「双葉」にすんなり入れました。
パワーをつけるために馬刺しと天ざる。
山小屋に戻り、
切り落とす方向を慎重に見定めて梯子を立てました。
計算通りの位置にまっぷたつに落とすことができました。
30分くらいかかったかな。
建物に被害をださずにすんで一安心。