(ネタバレあり。注意)
落語会の大物・椿屋團路 (つばきやだんろ)。
その一門会のトリで古典落語「死神」を演じ、落ちでばったり高座に倒れ込んはいいが、團路は起き上がらない。弟子たちが駆け寄ったところで急遽幕が下ろされ、駆けつけた救急隊によって死亡が確認される。
たまたま客席にいたのが右京と亘。
高齢で癌を患っていた團路は病死とみなされるが、
死亡直後の一門の様子を観察していた右京は事件性を疑い、伊丹刑事らを呼び寄せる。
一門に圧倒的な力をふるっていた團路は色好みでも有名で、住み込みの新弟子・椿屋路里多 (ろりーた) は團路のセクハラに悩まされていた。破門されたばかりの若い弟子もいる。
弟子たちはそれぞれ團路に対して腹に一物を持っているようであり、
弟子たちのとりまとめ役・小ん路 (こんろ) も例外ではない。
右京はそういう椿屋一門の状況を即座に見て取って、直感的に殺人だと考えた。
しかし証拠はない。
事件性がないとみなされて行政解剖に回されてしまえば物証を得ることは不可能に近い。
右京は直感をどのように事件解明につなげるのか?
そういうストーリーでした。
今シーズンの「超・新生」で頭に重傷を負って「正義をつらぬく人」に変身した内村刑事部長の指示があったとは言え、
伊丹・芹沢・出雲は右京の、妄想と言えなくもない推理に興味津々で協力する。
外堀を埋め尽くしたところで、一門が高座に呼び集められ、右京が大胆な推理を披露する。
鳴り物とともにサイバー犯罪課の青木が着物に羽織り姿で登場 !!
あらためて見ると落語家顔の青木。彼の高座シーンは秀逸だと思いました。
亘が最後に指摘したように、
右京は「講釈師、見てきたような嘘を言」ったのだが、
その嘘が結果的に犯人を追い詰めた。
右京の「見てきたような嘘」が、行政解剖から司法解剖につなげた。
おそらく物証は出る。
「見てきたような嘘」に徹底したところがいい。
その嘘に説得力を与えたのが、再度強調しますが、青木の高座シーンですね。
「今回は見てきたような嘘に徹しますよ」をきちんと伝えていた。
(前エピソード「欺し合い」は同じような「見てきたような嘘」のパターンですが、中途半端だから突破力に欠ける。そこが違い)
脚本も楽しいが、このシーンの監督の力侮るべからず、と思いました。
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