サッカーか。
わたしにとってのアルゼンチンは、
何よりまずW.H.ハドソンの国です。
『緑の館』 |
W.H.ハドソンって誰?
若い人たちはきっとそう思うでしょう。
わたしとかそれより上の世代ではそこそこポピュラーな名前だと思う。
アルゼンチン生まれの小説家・ナチュラリスト。
オードリー・ヘップバーン主演で映画化された『緑の館』は日本でもけっこう読まれた小説です。
『はるかな国遠い昔』 岩波文庫 |
ヘロの アプリコットジャム |
当時、アプリコットジャムは一般には売っていなかったと思います。
大学生になってスイスのヘロのアプリコットジャムを食べて、
「ああ、これがハドソンが書いてたジャムなんだ!」
と感動しました。
それからアルゼンチンはガウチョ(牧童)の国。
中学生の時、チャールズ・ダーウィンの『ビーグル号航海記』を読んではじめてアルゼンチンの「ガウチョ」を知りました。
大学生のとき『月刊プレイボーイ』に連載された開高健『オーパ!』に書かれていた、
取材班がアルゼンチンのパンパでガウチョたちに牛一頭の丸焼きに招待される場面。
アルゼンチンの牛肉の食べ方の半端のなさがわかります。
『オーパ!』 集英社文庫 |
(開高健もW.H.ハドソンと同様、
若い人にはなじみがなくなっていると思います。
破天荒な小説家です。
サントリーの宣伝部にいて、PR誌『洋酒天国』に携わった人。
三谷幸喜を肉食系にした感じ、と言えばイメージが伝わるでしょうか。
『オーパ!』は『月刊プレイボーイ』取材班ともに開高健が世界各地で魚を釣り、飯を食らうエッセイですが、今読んでも古びてないと思います。)
手元になくて(というか、あるはずだけど数千冊の蔵書の中のどこにあるかわからん)
確かめられないのですが、
たぶん絶版になっている昔の中公新書のワインの本がありました。
(アマゾンに類書が2冊挙がっているのですが違う気がします)
40年くらい前の本なので、ワインについての理解は今から見ると古いのですが、
それでも若い頃のわたしの印象に残ったのは、アルゼンチンの赤の話。
筆者はアルゼンチンの赤をただの安ワインだと思っていた。
だけれどアルゼンチンに行って、その牛肉の食べ方に仰天した。
塩だけで焼いた大量のビーフを食べる。
それにはフランスのボルドーなんかではダメで、荒々しいアルゼンチンの赤しかあり得ない。ワインはその国の食文化と切り離せないのだ。
そういうことが書かれていました。
ながながと書いてきたわけは。
土曜はわたしが激しい運動をし、
日曜は妻が長時間激しい運動をします。
だから週末は動物性タンパク質を摂ることにしてます。
今日はスーパーで安売りしてたオーストラリア牛のステーキ。
で。
昨日開けたアルゼンチンの赤があったんですね。
「チャカナ」。
昨日開けたときには
「うーーん、田舎の荒々しい赤だな」
と思いました。
今日、ステーキに合わせた。
軽めの塩胡椒をしてニンニクバターで焼き、わさび醤油で食べる、
というのがわが家の定番です。
すごい!!
ステーキと合わせるとがぜん真価を発揮する。
アルゼンチンの底力を感じました。
あっという間に空いて、
そのあとは一転して、福岡は三井の寿『プリマヴェーラ・クアドリフォリオ』。
三井の寿はわたしのベスト3に入る日本酒の酒蔵です。
ここが季節ごとに出す限定版があって、イタリア語の名前がついてることが多い。
『クアドリフォリオ』は春のうす濁り酒。
クアドリフォリオは「四つ葉のクローバー」という意味です。
香り高く、さわやかだけどしっかりした味わいです。
花見に飲むと最高だと思う。
というわけで、桜の絵のグラスで飲みました。
生酒は基本的に飲まないのですが、『クアドリフォリオ』は例外的に飲む。
うまいです。
桜が待ち遠しいぜ。
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