フランス南部のコート・デュ・ローヌ (Côte du Rône) 地方は、安価でおいしいワインの産地です。
今日の寝酒は「ゴーツ・ドゥ・ローム」(Goats do Roam) という名前の南アフリカの赤。
ええーーっと、わかるでしょうか。
意味は「山羊たちはうろつきまわるぜ!」なんですが、「コート・デュ・ローヌ」をもじってるんです。ラベルはご覧のとおり、山羊さんです。
笑っちゃうネーミングです。
とあるネット酒店でフルボディー6本セット¥4,890、しかも送料無料 (!) なので買ったセットのうちの1本です。
これが悪くない。
合成コルクどころか、金属キャップの安いテーブルワインですが、
フレッシュな果実香とそこそこのボディーがあります。
つまみはエビとブラウンマッシュルームのアヒージョ。作り方は以前に投稿しました(左の「アヒージョ」をクリックすると見ることができます)。
楽しんでいるのですが。
先日の毎日新聞に南アフリカのワイン葡萄園で働く黒人労働者たちの苦しい生活が報告されていました。安くて高品質のワインが南アフリカの売りなのですが、それはそういう労働者たちの苦しい生活に支えられているわけです。
きちんと調べたわけではありませんが、このワイン、1000円前後だと思います。値段から考えられない味。
でもわたしはあと150円だけ出して、労働者の日当にまわして欲しいと思う。
もちろん、150円値段が上がるとすれば、そのほとんどは経営側に入ってしまうので労働者にはまわらないだろう。現実的ではない願いです。
「よい品を安く」
それが勝つのが健全な資本主義というものです。
しかし資本主義は究極的には、すべての人間が食べていくために存在するものだと思います。食べていくことを犠牲にした「安く」を消費者は受け入れてはならないと思います。
わたしだって好きなだけワインを飲める身分ではありません。
でも150円余分に出して南アフリカの葡萄園の労働者の日当が上がるなら、
150円分、飲む量を減らします。
(まずかったら150円を出す気はありませんが、この「ゴーツ・ドゥ・ローム」はあと150円出す価値はあると思う)
経済とは、国民みながちゃんと食べて「文化的で最低限度の生活をする」ためだけに存在するんだと思っています。そういう生活を犠牲にしてまでコストを削減し、価格競争に勝とうとする姿勢には納得できない。
ニュースで、ハンバーガーや牛丼のチェーン店の値下げが報道されるたびに胸が痛みます。値下げする余裕があるのなら、その分店員の時給を上げろよ、と思います。
笑っちゃうけど笑えない。
そんな複雑な気持ちで「ゴーツ・ドゥ・ローム」を飲んでます。
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