3/6から3/11までオーストラリアに行ってきました。
慌ただしい駆け足の滞在に過ぎませんでしたが、オーストラリアの人々(オージー Aussie)とのはじめての交流は個人的にもなかなか豊かなものでありました。
個人的な備忘録の部分だけ書いておくことにします。
訪問地は首都キャンベラ+シドニー。
その限りでの風土の印象は「地中海をだだっ広くした感じ」です。
バスの車窓から |
シドニーの空港からバスでキャンベラに直行。
乾燥気味の緑が広がっている。
そして強烈な紫外線。
地中海との違いは、
地平線が続いていること。そしてユーカリの樹の白い幹の色。
3/7にキャンベラ着。
国会議事堂 |
ホテルにチェックインする前に国会議事堂を見学。
議事堂前の広場では軍の閲兵式のような儀礼の訓練が行われていました。
入口ホールの列柱群 |
広場のモザイクは先住民アボリジニのモチーフ。
ガイドによれば、議事堂内部の入口ホールの列柱群はオーストラリアの森、天窓からそこに注ぐ陽光は木漏れ日をイメージしたものだそうです。
ガイドは言わなかったけれど、ヨーロッパ中世のゴシック教会も実は同じ。柱は木々。ステンドグラス越しの陽光は神から注ぐ光であるのと同時に木漏れ日でもあります。
「石で作られた森」という点では共通しています。
議会場 |
しかしオーストラリアの国会議事堂のデザインはなんといっても軽やか。色も窓の曲線も。そこがゴシックとの違い。
議会場もベーシックには伝統的な形なのですが、天窓から光が差し込み、色も軽やかです。
大英帝国の伝統はあるのだけれど軽やかさがきわだつ。
オーストラリア文化の第一印象はそれでした。
そしてその「軽やかさ」はアボリジニをはじめとする「異文化」から積極的に取り入れたもの。そのことがその後の滞在で1日刻みでわかってきました。
ホテルは Forrest Hotel and Apartments。
これまた国会議事堂と同じく「森」です。
中庭を囲む2階建てのカジュアルなホテル。
泊まった部屋 |
治安がいいからか、部屋は密閉されてなくて、遮光カーテンを引いたガラス窓で外に面している。
朝食はイングリッシュスタイル。
ポーチドエッグ、焼きトマト、マッシュルームなどボリュームたっぷり。
朝食 |
学生20人以上を引き連れたキャンベラ大学との2日間の交流だったのですが、
多文化国家であることを自覚的に選択したオーストラリアの意志が強く感じられる交流でした。
オーストラリア訛りがきつくて通訳に苦労した向こうの学部長の公式挨拶でも
「わたしたちの大学はアボリジニの歴史を踏まえて文化的にオープンであることを学是としている」
ということが強調されていました。
実り多かった交流の詳細は省略。
でもこれだけは触れておきたい。
キャンベラ大学の歓待には心打たれました。
相手への繊細な想像力と、歓待を具体的な形にするために注いでくれたエネルギー。
「おもてなし」ということばをなかばスローガンにしている昨今の日本が、これだけの本当のおもてなしができているのだろうか?
恥じ入るほどの歓待でした。
オーストラリアこそ「おもてなし」の国です。
三日目の夜はホテル近くのショッピングセンターにあるベトナム料理「ミントリーフ Mint Leaf」。
酒屋でワインを買って持ち込んでかまわない。
写真を撮る暇がなかったのですが。
春巻きとチャーハンはなかなか。
チャーハンはライムの香りがするさわやかな一品。
これは自分で作ってみようと思いました。
最後の夕食はキャンベラ繁華街の日本食「RAKU」。
わたしは海外旅行で日本料理店に行く人の気持ちがまったくわかりません。
何が悲しゅうて外国で日本料理を食べにゃならんのか?
しかし「RAKU」はなかなかよい。
オーナーが上海出身の中国系だから、自由な発想で、しかもちゃんと料理になっている。
たとえば、サーモンのタルタル。
これを黒い煎餅につけて食べるのですが。
サーモンのタルタルとイカ墨煎餅 |
これ、中華の海老せんの発想です。
ご存じかもしれませんが、あの「河童えびせん」のオリジンは中華の海老せんです。
丸いコインのようなやつを油で揚げると一気に何十倍にも膨らむ。
それを料理のつけ合わせにする。
「RAKU」はイカ墨を混ぜ込んだ薄い海老せん(イカせん)にしている。
これがサーモンのタルタルに絶妙に合う。
コハダ |
最後の方に出てきた海老の天ぷらは、例のマヨネーズソース。
中華料理屋で出てくる「海老のマヨネーズソース」よりぐっと日本寄りです。
料理はオーストラリアらしい多文化主義なんだけど、
中華料理の伝統と和食の伝統をきちんとわかっていて、
他方で店員のサービスは徹底的に日本流を貫いている。
人気店である理由がわかりました。
海外のこういう日本料理屋なら行ってもいい。
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