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2013年1月5日土曜日

大根と豚肉の炒め物

 よく作ります。
 わたしは中華鍋で作りますが、フライパンでももちろん可。しかし、超高温で炒めることが肝要です。


 ところで、
 
 かねがね「製造者責任」という奴に疑問を持っています。
「安全性」のためにガスレンジが高温になりすぎないようになっている。安全装置を解除しないと煙が出るまで中華鍋を熱することができません。

また、新しい鉄のフライパンを使い始めるときには真っ黒になるまで焼かなければならない。鉄鍋の底にこびりついた汚れを取るときにも徹底的に焼く。それが「安全な」ガスレンジではできない。そもそも「安全」ではないガスレンジを買うことがむずかしい。

「火は危険なものだから、火を使う際には目を離さない」
そういう基本的なことを守ることがほんとうの安全ではないでしょうか。
勝手に火を弱くする「安全な」ガスレンジしか知らない人は、火の危険性への感覚が養われないんじゃないかと危惧します。

 もうひとつ。
これも火が消えてしまうことを防止するためだと思われるのですが、前に使っていたガスレンジは「弱火」がほんとの弱火にできませんでした。サトイモなどに落とし蓋をして煮るとき「ごく弱火」でなければおいしくない。なのにできない。

 そういうガスレンジの設計者には「お前、自分でまともに料理したことがあるのか?」とつっこみたくなる。
金を払ってそんなものを使わされるこっちはたまったもんじゃない。どうしてくれる?

「製造者責任」ということばは、本来そういう意味に使うべきものだと思う。



昨年3月に建て売りの新居を買ったとき、作りつけのシステム・キッチンでちゃんと弱火にできるかどうかをまず確かめました。できました。というか、ガスが通っていなかったので不動産屋から「できます」という言質を取ってメモしました。不動産屋さん、嘘は言ってなかった。

わたしは料理を趣味でやっているつもりはありません。
「男の料理」など興味がありません。そもそも料理に男も女もあるはずがない。世に言う「男の料理」とは単に「後片付けをしない料理」のことなんじゃないかと、と思っています。わたしは料理を生活の一部としてやっているだけです。

料理について知らないことはたくさんあるが、健康な体を維持するために材料をできるだけ活かした摂取を心がけている。また、健康なだけでおいしくない料理は嫌だから、おいしくてわくわくする料理を心がけている(そうじゃないと若くないので食欲を維持できない)。
大根に高温で焼き目をつけ(ほかの調理法ももちろんあります)、サトイモをごく弱火で煮るのはそのためです。

ガスレンジを含む調理器具は、勘違いの「安全性」を第一にするよりも、そういう人間の基本的営みとしての食をきちんと支えるべきものじゃないんでしょうか。



閑話休題(あだしごとはさておき)。

この料理、高温で大根をバリバリ音を立てて焼いて作りましょう。おいしいと思います。
バリバリ音を立てて焼くのがこわい人は作らないよーに。



大根と豚肉の炒め物の作り方

《材料(4人前)
大根      1/4本
豚肉小間切れ  150g
干し椎茸    5~6枚
青菜(ターツァイまたは青梗菜) 適宜(主役ではないので多すぎないように)
干しエビ    大さじ1

ニンニク・ショウガ 各1片

A(ソース)
 ガラスープ  カップ1 (180cc)
 ナンプラー  大さじ1
 紹興酒    大さじ1
 塩      少々
 
紹興酒     大さじ1.5(Aの紹興酒とは別)
サラダオイル  大さじ3
オイスター・ソース  大さじ1
塩・黒胡椒     適宜(黒胡椒は多め)
水溶き片栗粉  適宜(最低量で片栗粉大さじ1に水大さじ2くらい)
ゴマ油     適宜

長ネギ(白い部分) 1/2本(なくても可)


【1 材料の準備】
中華料理はスピードとタイミングが勝負なので、火をつける前に手順を頭に入れておくことと、準備万端整えておくことが大事です。ゴマ油やオイスター・ソースは手元に置いてビンの蓋を開けておく。いったん火をつけたら冷蔵庫の扉を開けている暇(いとま)はありません。

(1) 干し椎茸は前の晩に冷蔵庫で戻しておく。あわててお湯で戻したりしたらおいしくありません。石づきをとり、四つに切る。

(2) 長ネギの白い部分を白髪ネギにして(細長く切るということです)水に放っておく。しばらくしたら手で軽くもんだあと水気を切っておく。長ネギはなくても可です。
準備OK。今回豚肉は200g。多すぎた。
150g がベスト。

(3) 干しエビは小量のぬるま湯で戻し、刻む。スープAに加える。

(4) 大根は洗って皮をつけたまま、大きめの拍子木に切る。

(5) 青菜は適当に切る(青梗菜を使う場合は根元と葉の部分を分けておく)。
今回は冷蔵庫の中でしおれかけた赤カブの葉と、2本だけ残った菜の花も加えました。

(6) 豚小間切れは大きければ適当に切る。ボールに入れて紹興酒大さじ1.5,塩小量を振って混ぜておく。(時間とエネルギーの余裕があれば、分量外の片栗粉をまぶしてやや低温で油通しする。ここではしてません。みんながみんな油通しをする余裕はないと思いますので)

(7) ニンニク・ショウガはみじん切り。


【2 炒める】
鍋を煙が出るまで熱したらサラダ油を入れる。以後 最後まで強火 です。油を鍋全体に回して十分熱くなったらニンニク・ショウガを入れ、ひと混ぜしたら大根を投入。バリバリッと音がするはずです(しなくてもがっかりしないよーに。めげずに強火で炒めてください)。できる人は鍋をあおる。できない人は杓子で混ぜる。

大根に焼き目がついたら豚肉を入れて炒める。油が足りないようならゴマ油を少し足してください。

豚肉に火が通りかけたかな、というくらいで椎茸(と青梗菜の場合には根の部分)を入れて炒める。

青菜を入れる。炒めすぎないように。

【3 味つけ】
スープAを入れてかき混ぜる。もう大根には火が通っているはずですので長く煮る必要はありません。

オイスター・ソースを加え、味見をして足りないようなら塩を加える。

間を置かずに水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。とろみがついたあとすぐに火を止めないかき混ぜながら10秒ほど我慢する。

ゴマ油をかけ回して火を止める。

【4 仕上げ】
器に移したら黒胡椒をたっぷりと挽く。
白髪ネギを上にのせて完成。白髪ネギではなく、刻んだ香菜(シャンツァイ)でもおいしいのですが「カメムシみたいな匂いが嫌い」という人もいると思うのでお好みでどうぞ。




赤カブの簡単サラダ

ついでに冷蔵庫でしなびかけていた赤カブをサラダに。これは高山なおみ『野菜だより』(アノニマ・スタジオ 2005年) に出ているまんまです。

高山なおみは昔、吉祥寺の「CooCoo(クークー)」という無国籍料理の店のシェフでした。繊細な味で好きだったのですが閉店してしまって残念。

この人のレシピは伝統をしっかり守る中に、ちょっとしたひねりが加えてあっておいしい。
そして文章もいい。
『諸国空想料理店』(ちくま文庫)は、単なる料理のレシピ本を越えた思索的なエッセイだと思います。

カブのサラダの作り方は簡単。

カブを厚めの輪切りにして塩を振り、数分なじませる。
醤油・ゴマ油・レモン汁・練りわさびを混ぜたドレッシングをかけて食べます。






ティーポットはアラジンの魔法のランプ
(実物を見たことないが)みたいでお気に入り。
大根と豚肉の炒め物、カブのサラダ、水餃子が今夜の晩ご飯。
気分は中国人。

食後に上海の張さんから送っていただいた立派な中国茶を飲みました。















 






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