(ネタバレあり。注意!)
1日遅れの『相棒』評です。
飄々とした脚本でした。
犯人ではなく、殺人事件を向かいの部屋から画像に撮った目撃者に焦点を当てています。
容疑者が三人逮捕されるが決定打がない。
目撃者が撮った画像は決め手となる重要証拠なのですが、目撃者は警察嫌い。
かたくなに協力を拒みます。
伊丹刑事らは警察の手法で画像を手に入れようとする。
法務省から出向している冠城亘はそのやり方に納得できない。
ので、自分のやり方で目撃者に迫る。
だけれども冠城のやり方も強引。けっこうあくどい。
右京は、伊丹刑事のやり方に感心していないが、
冠城のやり方にはいっそう不快感を示す。
相棒部屋で二人が対立する場面がおもしろい。
冠城はコーヒーカップを、右京はティーカップを手に、お互いそっぽを向く。
冠城と右京の関係をさまざまに表象するのがコーヒーと紅茶。
今回も遊んでいます。
事件解決後、冠城は右京を「花の里」に誘う。
「いいですけど行く前にお話があります」と右京。
「お説教ですか」と冠城。
「長くなりますよ」と右京が言うとカメラが引く。
手前のオフィスの灯りが消え、
特命係の部屋の灯りの中に向かい合う二人が立っている。
それで終わりになります。
お説教の内容は観た人間なら予想がつく。
だからいっさいお説教に触れることなく終わらせる。
でも今日のストーリーは、このお説教がないと右京と冠城の関係が上っ面になってしまう。
内容を示すことなく、しかしちゃんとお説教で幕引きをする。
なかなかみごとな終わらせ方だと思いました。
この何回か、冠城亘を演じる反町隆史の手の動きが目立ちます。
反町隆史って前からそうでしたっけ?
ひらひらと舞うような手の動き、あざといと言えばあざといのですが、
『相棒』に関しては、芝居っぽい「冠城亘」という人物に似つかわしいと思いはじめました。
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