2020年11月28日土曜日

新顔と深まる謎——日本酒の話 その2

 
「日本酒の話」は、6年以上前に気楽に書いたっきり、ほったらかしにしてたのですが
予想外にアクセスがあります。

ほったらかしにしていたのは、
「日本酒の話」を書いた頃からしばらく心身ともに万全ではなくて、
数年間、自分のブログをろくに見ていなかったこともあります。

数ヶ月前にようやく復調の兆しが見えて再開しました。
そしたらほったらかし期間にも見てくださった人がいたことがわかりました。
ありがたい。
だけじゃなくて申し訳ない。
休んでいたあいだに Blogger のインターフェイスが変わったせいか、
「2014・夏ギリシア」に寄せてくれた7人の方のコメントを読めない。
(ので遅ればせの応答もできない)

中断期間の負債みたいなものを返したい気持ちもあって、
再開後は (遅筆のわたしとしては) できるだけ投稿しています。



「日本酒の話」についてですが。
日本酒についてのわたしの基本的な姿勢と具体的な銘柄の紹介をしました。

そこに書いた基本姿勢は今も変わりません。

    1) 純米酒しか飲まない。
    2) 酒米を磨きに磨いた大吟醸は、杜氏の腕の差が出ないし、
    日本酒本来の味の奥行きがないので飲まない。精米歩合 55~60% くらいの酒が
    いちばんおいしいと思う。
    3) 冷やした酒は銘柄ごとの味の個性がわからないので、最低常温で飲む。

それぞれについてもちろんもっと説明しましたが、
日本酒好きなら納得してもらえるだろう、ごく当たり前の基本姿勢です。

とは言え、6年以上前の話。
ここ3, 4年は日本酒より、ワイン、シングルモルトウィスキー、ラムを飲む方が多かったこともあります。その間も日本酒飲んでたけど以前ほどではなかった。
 (多いときは月10升飲んでたからなー)。

この半年くらいでまた日本酒に回帰したので更新する気になりました。
(ちなみに、ワインやウィスキーと較べると確実に日本酒は太りますね)


I. 補足

まずは前回の補足をいくつか。

「天の戸醇辛」は米の雑味を旨みに変えたうまい酒だ、と書きました。
相変わらずの定番種のひとつなんですが、
あらためて気合いを入れて飲んでわかったことがあります。
開けたてはいろんな味の要素がくっきり (別のことばで言うと喧嘩) している。
でも2,3日経つとそれが一体化してすばらしい奥行きになる。


「雑味を旨みに変えた」点で似ているのが、前回触れなかった岡山県の
「竹林ふかまり」
実はこの酒、日本酒を飲み始めた頃に何度か飲んでいるのですが、
30年くらい前の自分の記録を読み返すとこの酒の良さがわかってなかったと思います。
評価が高くない。
でも今飲むとすばらしい。
もう開けたてから味の一体感があります。濃醇かつ角がない。最初から渾然一体。
そこが「天の戸醇辛」との違い。
逆に、角がないから強烈なアッピールがないと感じる人もいると思います。それがメジャーじゃない理由なんでしょうが、この酒はほんとにうまい。
「天の戸醇辛」「竹林ふかまり」どっちも好きです。

ちなみに「竹林」にはもっと精米した (=値段の高い) ものもありますが、そっちは吟醸香があるのでわたしの好みは「ふかまり」です。
ここの酒蔵の社長、「うちの酒は100°Cでも大丈夫です」と豪語しているそう。
さすがにそこまで暖めたことないですが、熱燗でまったくへこたれない、どころかうまさが際立つ。鍋には最高ですね。

もひとつ補足。

新潟の酒は好みでない。だけれど、「越乃白雪」は、開栓したては水みたいなしょうもない酒だったけど、開栓して1ヶ月以上流しの下にほったらかしにしていたら「すーーーーんばらしい味」に変貌していたと書きました。あれは「特別純米」です。

数年前に新潟出身の先生が退職する際、
「歩きのオス先生、お好きな新潟の酒があればさし上げたいです」
と言ってくださった、ので迷わず「越乃白雪」と言ったら
なんと!
「純米大吟醸」をいただいた。
すでに書いたように、わたしは「純米大吟醸」を飲みません。米を削りすぎてボディーがないことが多いからです。
でも「越乃白雪純米大吟醸」は開けたてからすばらしく濃醇なボディーがありました。
開けたての「特別純米」の「水みたいなきれいさ (わたしの中ではマイナス評価のことばです)」が微塵もない。
どーしてなの??
何年も飲んでないのですが、いつかもう一度「特別純米」を飲んで確かめたいと思ってます。
日本酒、奥が深いです。


II. 新顔


ガツンと響いた新顔たちです。

新顔1番目は岡山県の「宙狐 (ちゅうこ)」。

「純米原酒」をネットで取り寄せてしびれました。
濃醇で角がなくうまい!!

と思ってたら、いい居酒屋に置かれるようになった。
そしてあっという間に手に入らなくなった。

残念だと感じると同時に、
「いやー、旨さって共有できるもんなんだな」とも思いました。
「山廃純米」はなんとか手に入るのでこれを飲んでます。
これもうまい。
山廃の香りは強くありません。千歳飴のような米っぽさ、苦み、酸味が渾然一体。
ボディーがしっかりあるので料理と飲むとよけいにすばらしい。



次は最近評判がいいので買ってみた千葉県の「不動」
どれにしようか迷って「ひやおろし酒こまち純米吟醸生詰め原酒」に。
うまい!!
香りが面白い。
パイナップルみたいな立ち香 (鼻でわかる香りです)・含み香 (ゴクリと飲んだときに鼻に抜ける香りです)が、いきなりではなく「遅れて立ち上がってくる」感じ。そこが面白い。濃醇だけれどバランスが良い。

「不動」の香りは「吟醸香」に分類されるんだと思います。
わたしはどちらかというと吟醸香が強い酒は好きではない。
しかし「不動」を飲んで吟醸香の認識がちょっと変わりました。

吟醸香があってもボディーがしっかりしていれば気にならない、
ときにはお互いの相乗効果でいっそううまくなる。

米を削って評判の「獺祭 (だっさい)が苦手なのは、吟醸香の強さもさることながら、
ボディーがないので (ま、「きれいな酒質」と言う人もいると思いますが) 香りのくどさが際立つからです。わたしにとっては「臭くてたまらん酒」。料理といっしょに飲むとよけいにくどい。
(付言しておくと。「獺祭」の「磨き二割三分」をいただいて飲んだことがあります。米を77%削ってる! ここまで削るとさすがに吟醸香も出ないようです。でもなんで高い金を出してこんな水みたいな酒を飲まにゃーならんのかと思いました。いただいた方には申し訳ないですが)

でも「不動」は違う。
わたしの苦手なマスカットみたいな吟醸香ではなくて、パイナップルみたいな香りだということもあるんだけど、しっかりしたボディーと吟醸香がタッグを組んでいる。
だから中華料理と飲んでもまったく違和感がありません。
ただし原酒で17°あるのでけっこうまわります。
「不動」のほかの銘柄も飲んでみたい。

そして新顔3番目は群馬県の「土田」
菩提酛×山廃酛

個性的な酒を造る酒蔵です。
最初に飲んだのが「菩提酛×山廃酛」。
変わった作り方のようです。ヨーグルトのような柔らかな酸味。うまい。

でも、土田でいっそうのお気に入りは
「イニシャルRスペックII 生酛純米酒」
名前からして個性的。
蔵に住みついた酵母を選抜して生酛作りをしているのですが、
精米歩合がなんと 90%!!
「獺祭」と真逆の道を行く堂々たる酒だと思いました。

裏ラベルに「常温保存必須」とあるのがいい。
ワインほどではありませんが、日本酒も時間経過で味が変わる。
わたしは数種を一升瓶で買って、それぞれ1〜2ヶ月、ときには3ヶ月かけて味の変化を楽しみます。
「冷蔵保存」と書いてある一回火入れの「ひやおろし」(秋あがり)も床下で常温保存です。
それでへこたれるような酒はだめな酒だと思ってます。
「土田」は自信があるんですね。
イニシャルRスペックII

はっきりわかるバナナの吟醸香。それにハッカもあるのかな。
そういういい香りが余韻にもふわーーーっと続きます。
「菩提酛×山廃酛」ほど強くはないが、柔らかな酸味がすばらしい。
料理を引き立てます。
まだ合わせていませんが、中華の茹で豚の料理、白片肉 (茹で豚肉の甘味噌)とか回鍋肉 (ホイコーロー) にも合いそう。


新顔最後は奈良の「百楽門 備前雄町純米大吟醸」
「大吟醸」なんですが精米歩合50%なのでわたしの許容範囲。
これも吟醸香があるのだけど、甘み・酸味などとのバランスが良く、料理の邪魔をしない。


たいした舌じゃないけれど、赤ワインのブドウ品種はけっこうわかります。
フランス出のブドウでは、カベルネ・ソーヴィニョンとかシラー(メルローはそんなに好きではない)、個性派のマルベック。
スペインのテンプラニーリョ、ガルナッチャ、モナステリオ。
イタリアはブドウのバリエーションが豊かでそれぞれ個性的。
有名なトスカーナのサン・ジョヴェーゼをはじめとして、
バラの香りがするマルケ州のラクリマ・デ・モッロ・ダルヴァとか、
プーリア州のネグロ・アマーロとかプリミティーヴォとか。

酒米はそこまでわかりません。
山田錦は全般に奥行きがある気はする。強力 (ごうりき)と亀の尾はどれもうまいのだけれど、米のせいなのか酒蔵の腕のせいなのか判断できない。
ブラインドで飲んだら当てる自信はまったくありません。

でも雄町はなんとなくわかる気がする。
わたしの舌では、ものすごく細やかな甘みがあります。

「百楽門」もそうです。雄町の甘みを生かしている。
「百楽門」と並べたのは「昇竜蓬莱きもと純米吟醸雄町」。
これはピンとこなかった。きもとのナッツのような香りと雄町の甘みがミスマッチで味がバラバラ。同じ酒米を使ってもずいぶん違うものです。


III. 深まる謎

新顔のコーナーに入れてもいいのですが、

愛媛の
ひめいちえ 無濾過純米吟醸夏越酒。うまいです。
開けたては味のそれぞれの要素がくっきり (だけど喧嘩はしてない)。
2,3 日すると渾然一体化します。

「日本酒の話」で同じ愛媛の「石鎚」について書いたことなのですが、
この「ひめいちえ」にもミカンの香りがします。
柑橘系の香りというのはまああります。でもそうじゃなくて「ミカンの香り」なんです。
「梅錦」もそうだった。

「愛媛県 日本酒 ミカン 香」とかで検索しても、
「愛媛県の酒はミカンの香りがする」という記事にヒットできませんでした (ミカンリキュールは作っているみたいですが)。
わたしの鼻がおかしいんだろうか?
でも何度飲んでも確かにミカンの香りがする。
以前は、道具にミカンの木を使ってるんだろうか、と書いたのですが謎です。
「ひめいちえ」でその謎がいっそう深まった。

もういちど書きますが、わたしの鼻、おかしいんでしょうか?





2020年11月26日木曜日

同日同刻——『相棒』Season19

(ネタバレあり。注意)

地味だが、まず推理ものとして凝っているし、
さらに未決囚遠峰小夜子 (とおみねさよこ) のこのエピソードに収まりきらない人物像の深め方もいい。

2年前のアポ電強盗殺人事件と、同じ日ほぼ同じ時刻に起きた妊婦の階段転落死事件。
二つの事件にいったいどういうつながりがあるのか?

右京と亘にそのつながりを気づかせるきっかけになるのが、
魔性の女、遠峰小夜子との面会。

アポ電強盗殺人の容疑者は妊婦を転落死させたと自白しているのだが、
遠峰小夜子は「2年前のあの日、わたしはアポ電強盗殺人事件の現場近くで容疑者を目撃した。
容疑者が妊婦転落死の犯人であるはずがない」
と右京と亘に語る。

容疑者は妊婦転落死を自供することで
アポ電強盗殺人事件とその一員を殺害した容疑を回避しようとした。
そういうことなのですが。

ではなぜ遠峰小夜子は右京たちに目撃証言をしたのか?
そこから事件は深まりを見せ始める。

一見すると無関係に思える、遠峰小夜子と妊婦転落死事件。
実はその両方に関わりを持っているのが雑誌記者白石佳奈子。
白石佳奈子は、小峰小夜子の詐欺事件の被害者でありながら、
遠峰の「魔性」に惹きつけられていった。

遠峰は自分の崇拝者となった白石佳奈子を嘲弄するために、
右京たちに目撃情報を告げたのです。


しかし、遠峰が妊婦転落死事件に関心を持ったのは、
白石佳奈子だけが理由ではない。
右京が喝破したように、
遠峰には「階段からの転落」への異様な関心がある。
遠峰の母親は階段から転落死したのだ。

遠峰が「魔性の女」となった秘密を今回のエピソードは示唆しています。
その意味で、「遠峰小夜子の謎」という大きなテーマにつながっている。
乞うご期待、ということでしょう。

「魔性の女」と言えなくもない小手鞠さんの魔性は、
遠峰小夜子のそれには及ばない。
(その程度の女狐に甲斐峰秋がやに下がっているのも今シーズンの不満なところ。
甲斐峰秋だらしなさすぎ。お前は男狐じゃなかったのかい?と思います)


正確ではありませんが、
遠峰小夜子が、
《自分に自信のない人間は簡単に人を崇拝する。そういう人間をわたしは軽蔑するんだ》
というようなことを右京に言います。

遠峰小夜子は好きではありませんが、この台詞はとてもいい。
その種の人間の弱さを知悉し、そこにつけ込むのが遠峰小夜子の「魔性」の秘密です。

つけ込まれた雑誌記者白石佳奈子は、いつも神経質そうに指をかきむしっている。
台詞による説明はいっさいありませんが、
その仕草をさりげなく観察している右京は、そこに白石佳奈子の危うさを洞察している。
いい演出です。

白石の弱さを見抜き、嘲弄する遠峰小夜子の魔性は、
しかし少女時代の経験のトラウマに由来するもの。
今回のエピソードはそのことを暗示しています。
それを今後どう右京が解き明かすのか。
解き明かされた遠峰小夜子はどう変わるのか、あるいは変わらないのか。

そういう伏線が今回きちんと示されたと思います。


それから。
このシーズンでわたしが危惧している出雲麗音 (いずもれおん) さん。
今日はなかなか味を出していました。
が、少し純情すぎる気もする。
純情な出雲麗音と、
かつて犯人に銃撃の傷跡をさらけ出して自分の内なる闇を爆発させた出雲麗音
その裂け目をこれからどう描いていくのか、
わたしはそこに興味があります。



2020年11月21日土曜日

東京オリンピック

東京オリンピック!
このことばを聞いただけで胸が躍る。

1964年の東京オリンピックのとき、わたしは小学生。
マラソンのアベベも、重量挙げの三宅義信も、
大松監督率いる「東洋の魔女」女子バレーボールも、
そしてフレッド・ハンセンとヴォルフガンク・ラインハルトの棒高跳びの死闘も
リアルタイムで見ました。

うむを言わせぬスポーツの迫力をはじめて実感しました。


で、2021年予定の東京オリンピック・パラリンピック。

やめるべきだと思う。

コロナの前から反対だった。
信じられない予算。
もはやアフリカやアジアの小国が開催できる規模ではない。
ビジネスと化したオリンピックを支配しているのはアメリカのマスコミ。
合衆国の放映に合わせるために、高温多湿の日本の夏に開催する理不尽。

オリンピック・パラリンピックそのものの意義を考える時期だと思う。

わたしが期待するのは中国だな。
アメリカを圧倒する経済力で、たとえば上海五輪を開催する。
上海、暑いからな。
「選手の安全を最優先に」と主張して春か秋かの開催をごり押しで実現させる。

で、そのあとは?
ギリシアで恒久的に開催するようにすればいい。

ギリシアはアテネ五輪をひとつのきっかけにして財政破綻した。
ならば各国が財政支援する形で「オリンピック・パラリンピックはギリシア」を維持すればいい。

誰も文句は言わないだろう。
アテネではなくオリンピアで開催するならなおさらだ
クーベルタン男爵も草葉の陰でお喜びになることだろう。

ギリシアも暑い。
だから春か秋の開催が良い。

東京五輪の開催、
金のことしか考えてないと思える。
「復興五輪」はどこに行ったんだ?

もっと素朴に、
鍛え上げられた体の美しさと、技術に支えられた動きの迫力を目にして感動する。
「何の役にも立たないけれど、何の役にも立たないことがなんてすばらしいんだ!」

スポーツの本質ってそれじゃないですか。
それを世界の人々に見せるためだけに五輪はあるべきだと思う。
アメリカ国民は夜中に起きて見ておくれ。


2020年11月20日金曜日

2020穂高


コロナで大学の授業すべてがリモートになったこともあって、
今年は、週末だけフラメンコのレッスンのために東京に戻るだけで、
3ヶ月以上穂高の山小屋にいました。
近隣の住人たちも長期滞在が多かった。
ので、その人たちとけっこう出歩きました。


6月末に行ったのが大町の霊松寺
霊松寺山門
山の上にある長野県最古の曹洞宗寺院です。りっぱ。
そして静かでした。
小さな庭がよく手入れされている。







よく行くフランチ・レストラン「ボン・ヴィヴァン」も、
ボン・ヴィヴァン
予約せずにランチにふらっと立ち寄ったら入れた。
あいかわらずふつうにおいしい。
東京のフレンチといちばん違うのは、
写真のような店とそのまわりの景色もさることながら、
野菜の質の良さ。
穂高のレストランは(ま、名前は挙げませんが)けっこうぼったくりもあるのに、ここはリーズナブル。


豚ロース肉のロースト、とてもおいしかった。


これもよく行く蕎麦屋「大梅」

ここは麺もつゆも抜群においしい。


のだけれど、
ここには天ぷらがなかった。

悲願「大梅」の天ぷら

わたしは天ざるが大好物なので、
「大梅」の天ざるで日本酒を飲むのが悲願でした。
(山小屋から徒歩15分なので、店主さえ許してくれれば、自分で揚げた天麩羅を持参しようとまで思ったくらい。さすがに非常識なので実行しませんでしたが)

今年はなんと!
コロナ渦の影響で「大梅」が天ぷらを出した
去年までは「おまかせ」という小皿の盛り合わせでした。
9品の手間のかかった料理が盆に満載されてます。
一人でうっかり頼んだりすると食べきれないので、
複数の客といっしょにきたときに頼んでました。

今年はコロナ渦の影響で、
感染を防ぐために「おまかせ」をやめて天ぷらにかえたのです。
ついに悲願成就!!
ぐい飲みの中にウサギがいる


ここのうまい日本酒「日置桜」とともに堪能しました。
この夏はいくたびに天ぷら頼んでたな。



倒れかかった松


山小屋の隣の土地は山林のままで、
それはいいのですが、たぶん数十年持ち主が訪問した様子がなく荒れ放題。
そこの松の木が(きちんと手入れをしていないから)どんどん倒れている。
今年もうちの土地に倒れてきました。
幸い、建物には当たらなかったものの大迷惑。
松を落として下生えも伐採

連絡して処理してもらって当然なのでしょうが、めんどくさいので自分で処理して、
ついでに何年もほったらかしにしていたうちの庭の下生えも刈り込みました。
熊がやってくるのが怖いからというのもあります。
大変だったけど、やはりすっきりして気持ちいい。

のだけれど、
ついでにけっこう大きなツバキ科の木を切り倒したときに、
処理の仕方を誤って大木が顔面を直撃。
血だらけで救急車で運ばれてまぶたを16針縫うハメに。
鼻骨を骨折し、顔の右半分の神経も損傷しました。

さいわい、眼も脳も損傷なく、
しびれも今ではけっこうおさまっています。

病院の救急科で縫ってくれたのはわりに若い女医さん。
先輩の年配の医師がそばで監督 (?) していたのですが、
縫っているときに、その彼が
「うまいねえ。腕上がったねえ」
と言ってたのが心強かった。

実際、東京にもどってからも脳神経外科で診てもらったのですが、
傷跡を診て
「いやーきれいに縫ってますね」とのこと。

若干の傷跡は残りそうですがひどくはない。
上手な医師にあたって幸運だったと思います。



白馬五竜にも行った。
ロープウェイとケーブルでかなりの高度まで簡単にいける。
素晴らしい眺望です。

そこから高山植物のお花畑を歩いて下る。
いろいろな花が咲いていたのですが、
「ヒマラヤの青いケシ」の実物をはじめて見ることができました。
花期は終わっていたのですがかろうじて残っていた!!



帰り道に立ち寄った源泉掛け流しのひなびた温泉もすばらしかった。


車で20分ほどのところにある某氏の高級別荘も訪問しました。
亡くなった聖路加病院の日野原重明先生が夏になると訪れていたという素晴らしい別荘です。
手入れのされた庭に建物から長い通路 (?) が伸びていて、そこでお茶をいただいた。
通路の下に小川が流れていて、まわりの赤松の樹肌が美しい。
わたしとは別世界ですが、こういう雰囲気のある場所が存在していることはすなおにいいことだと思う。

定年前に大学に車で通勤していた頃、
通り道の成城の住宅街に古びた洋館がありました。
出窓のガラスが少しゆがんでいて、
おそらく今では作れないようなガラスだと思われるそれはそれはすてきな出窓でした。
その家が売られて分割されて風情のない住宅になってしまった。
相続税とか考えるといたしかたないことだとは思いますが、
「ああ、文化がまたひとつ失われてしまった」
と悲しくなりました。

風情のある高級な建物を嫉妬するのは心根が卑しいと思います。
穂高のすてきな別荘も存続してほしい。



今月上旬に山小屋を閉めに行きました。
例年より寒さの訪れが早いのかな。
紅葉の終わりぎりぎりでした。

おそらく前の持ち主が配置したんだろう、
赤い紅葉の隣に檀香梅 (ダンコウバイ) の黄色のコントラストを毎年楽しんでいたのですが、
今年は檀香梅は終わっていた。
地面にかろうじて1枚の葉が残っていました。


2020年11月18日水曜日

三文芝居——『相棒 Season19』

今日は格別の批評なし。

橋本じゅんの演技力に賭けた脚本がしっかり。
Season19でいちばんのできだったと思います。

あ、シェークスピアの使い方は初心者レベルだと思った。
もっと凝った使い方をしてほしい。『相棒』だからこその要望。

「こてまり」が右京と亘にとって憩いの場ではないことは再確認できたな。
小手鞠が燗をつけに席を外したときに二人は事件の話をしてた。



2020年11月15日日曜日

大根のごろごろ炒め煮


ご近所の方から実家でとれた白菜と大根をたくさんいただいた。

こういうときに重宝するのが
高山なおみ『野菜だより』(アノニマスタジオ2005)

高山なおみさんが昔やっていた吉祥寺の KuuKuu に何度か行ったことがあってその味が好きでしたし、
エッセイ集『諸国空想料理店』(ちくま文庫2005) の文章も好きです。



大根を大量に消費するには
『野菜だより』に出ている「焼き大根のごろごろ煮」がよかろうと思ったのですが
焼き網が必要です(箸で転がすのでガスレンジのグリルではできない)。
中華鍋で燻製を作る予定もあるので、丸い焼き網を買うことにしました。
で、街に出かけたのですが、なんと売ってない!!

ネットにはありましたが、届くのを待ってられないので、
中華鍋で炒めて焦げ目をつける方法に変更。
そこがわたしのアレンジ。

わたしは中華鍋をよく使う。
山田工業所のものを三十数年使っていますがびくともしません。
そして油が少なくてすむ。
フライパンと並べて油を入れて確かめるといいのですが、
お椀状の中華鍋の方が油少なくて炒められます。
さらに、余分な油が鍋に張り付くように残って料理には意外に残りません。

高山なおみのように焼き網で焼くのもおいしいのでしょうが、
中華鍋で葱油 (ツォンユー)の香りをつけるのもまた別の味です。
時間と手間も焼き網よりかからないと思う。
そこ以外の味つけ等はほぼ高山なおみさんのままです。
(葱油の作り方はこのブログの「ジャガイモの中国風サラダ」を見てください)

ナンプラーとパクチー (香菜) を使うのが高山なおみさんらしいひとひねり。
おいしいです。


大根のごろごろ炒め煮の作り方

《材料》3〜4人分)
大根                 1/2本
油揚げ      2枚
鶏がらスープの素 小さじ1
酒              1/4カップ
ナンプラー     大さじ1
塩・黒胡椒             適宜
水溶き片栗粉     片栗粉大さじ1を水大さじ2で溶いておく(全部使わなくてもいい)
葱油                     適宜 (大さじ2弱くらい? ふつうの炒め物より少なめです)
ごま油        小さじ1
パクチー               好みの量 (わたしは3本くらいかな)

【下準備

1) パクチーは洗って水気を取り、粗く刻む。
2) 大根はよく洗って、穴が空いたところや汚れのひどいところだけ皮をとる。大きめの乱切りにする。
3) 油揚げは熱湯をかけて油抜きをし、たて半分にしたあと4つに切る (1枚8等分ですね)。

【作る】
バリバリッと音がしますが
ひるまずに炒めます
1) 中華鍋を煙が出るまで熱して、葱油を回し入れる。
大根を入れて軽く焦げ目がつくまで炒める。

2) 鍋に水2カップ、鶏がらスープの素、酒、ナンプラーを入れる(強火のまま)。

油揚を加える。
仕上がりは汁気がこれよりぐんと減ります

3) 煮立ったら油揚げを加え、蓋をして弱火で30分ほど煮る。

4) 大根がやわらかくなったら塩、黒胡椒で味をととのえる。

5) 水溶き片栗粉を少しずつ加え混ぜてとろみをつける。

6) ごま油を散らして器に盛り、パクチーをのせる。
    ※2)~6) は『野菜だより』p.102 からのほぼ引用です。



【完成】





2020年11月11日水曜日

家の呪縛——『相棒』Season19 天上の棲家

 (ネタバレあり。注意

今日の「天井の棲家」を見て、唐突かもしれませんが、
若い頃、妻の実家に行って妻の父親に結婚の許可をもらおうとしたときのことを思い出しました。

緊張しながら「娘の○○さんをいただきたいのです」と言ったわたしに、父親が言ったことばが
すごかった。

「その言い方は気に入らない。結婚というのは両性の合意で成立するものだから、
あげるもらうとか親が許可するしないの問題ではない。娘が『この人と結婚したい』と言ったとき、親は許可などできない。ただ祝福するだけだと思っています」

感動で胸が震えました。
この人は「家」から完全に自由な人なのだ、「個人」を何よりも優先すべきなのだ、
そういう思想を体で生きてきた人なのだ。
そう思いました。

そして義父の思想は日本国憲法に強く支えられていたのだな、とあとになってわかりました。
憲法第二十四条第一項
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない

ようするに、日本国憲法は「家と家との結婚」を否定している
すばらしいと思う。
以来、ホテルとかで「○○家△△家結婚披露宴」という張り紙を見るたびに
「あ、これ憲法違反だよね」と思うようになりました。

もちろん、地方の名家なんかでそういう「家」の存続が至上命令であるような事情はわかるつもりです(わたしは田舎出身なので)。

けれどもそれはその家の事情にすぎない。人に強要すべきではない。
嫁に家の墓守を当然のようにように要求するのはどうかと思う。
だからそういう家に嫁入りしたくない女性がいるのはよくわかる。
やだよね。

地方の男性に嫁の来手がみつかりにくいのはよくわかる。
結婚相手を見つけたければ、家を背負わない裸一貫の魅力で勝負するしかない
(「婚姻は両性の合意にのみにおいて成立し」ですね)。
結婚という家族の形態自体が選択肢のひとつでしかなく、
統計上の事実としてももはや少数派である現代においてはなおさら、
そう覚悟しなければ嫁さん見つかりにくいと思う。

別のことばで言うと
「家の呪縛」から自由にならないと嫁さん見つけにくいよ、ということ。


今日の『相棒』、まさに「家の呪縛」がテーマ。

地方ではなく、東京の政治家の名家、白河家なんだけれど。
藤眞奈美演じる貴代はそいういう「家の呪縛」から殺人を犯す。

ストーリーの骨格は森友学園事件なんだと思います。
しかしそれを「家の呪縛」の事件として描いた。

では白河家の「家の呪縛」は貴代の逮捕で終わるのか?

殺された衆議院議員、白河達也の妻は呪縛されたままだと思う。
白河家の呪縛は続くということだと思う。

でも、二代続けて収賄事件が明らかになってしまった白河家に、
政治家の家として存続は困難でしょう。
白河家の未来は危うい。しかし、白河家のなかで「家の呪縛」から自由になれそうな人物がいます。
白河達也の長男。
この子、なかなかいい。

最後の場面(台詞はないのだけれど)
母親は名家に呪縛されたままなんだろうなー、とわかるのですが、
長男がどうなのか曖昧だと思います。
「またもや白河家の呪縛を引き継ぐ子」ともとれるし、
それまでの登場シーンからすると「呪縛から解放された白河家の政治家」になる可能性もありうる。

その辺の曖昧さが不満。
長男をもっと描いてくれよ。

この子を描くと「家の呪縛」と「呪縛からの自由」のドラマになり得たと思います。

「家の呪縛」とそれに対する右京の憤りに終わってしまったな。



2020年11月9日月曜日

おしゃれなパスタ——鶏挽肉・しめじ・真竹のクリームジェノヴェーゼソース


 イタリアのピサに留学していた若い知人は、料理好きのお婆さんの家に下宿していた。
それはそれは料理好きのお婆さんで、早起きしてもう夕食の準備にとりかかる。
知人が「今日は友人と外で食事します」と言うとがっかりした顔をする。
お婆さんの料理はどれも素晴らしかったそうですが、知人は、とりわけ印象に残ったのが
クリームソースにジェノヴェーゼソースを加えたラザニアだと言ってました。

知人は料理をしない人なので具体的なレシピは聞けませんでした。
が、想像を膨らませて作ってみました。

ラザニアはけっこう手間がかかるのでパスタで行くことに。
何度か作って「これだ!」という材料の組み合わせにたどり着きました。

それが鶏挽肉としめじと真竹

鶏挽肉とブロッコリーとかいろいろ試したのですが、
この組み合わせがいちばんおしゃれな味になると思いました。


真竹の水煮が手に入らなければふつうの (孟宗竹?) のタケノコ水煮でもいいのですが、
真竹の方が絶対においしいです。

そしてこのソースに限っては、
生クリームだけでは重すぎる。生クリームと牛乳半々くらいがベスト。

ジェノヴェーゼソース
ジェノヴェーゼソースは、バジリコ、アンチョビ塩漬け、松の実、オリーブオイルなどをミックスしたソース。自作もできますが、わたしはめんどくさいので市販の瓶詰めを使います。
このソースのオリーブオイル分があるので、
材料を炒めるオリーブオイルはやや控えめにした方がいいかな。





鶏挽肉・しめじ・真竹のクリームジェノヴェーゼソースパスタ
の作り方

《材料》(3人分)

鶏挽肉                200gくらい
真竹の水煮      1袋 (近所のスーパーで売ってるのは130gくらい)
しめじ                2株くらい (バラバラにしてかならず冷凍しておく)
パセリ                適量
パルミジャーノ  削ったもの大さじ3

白ワイン             大さじ2
生クリーム          150cc
牛乳             150cc
ジェノヴェーゼソース     大さじ3(好みでもっと多くても。味見してください)
オリーブオイル・塩・黒胡椒            適量

パスタ (太めのもの)    250~300g


【作る

1) 鍋に塩をしっかり入れた湯を沸かし始める。

2) パルミジャーノを削る。

3) パセリをみじん切りにする。真竹は適度な細切りに。


4) フライパンにオリーブオイルを入れて、鶏挽肉を中火で炒める。
「塩はここで決めるぜ」くらいの気持ちでしっかり塩を振る。
黒胡椒も、できればペッパーミルでひいてしっかり加える。
水分をしっかり飛ばすのですが、完全にバラバラではなく、
写真のように塊が残るように炒めた方がおいしい。

5) 鶏挽肉が炒まったら白ワインを入れて強火でアルコール分を飛ばす。
その後は中火。

6) しめじと真竹を加えて炒める。
しめじは冷凍しておく方がおいしくなります。
(わたしは近所のスーパーでバラにしたしめじを安いときに買っては冷凍庫に入れておきます)
解凍しなくてよい。冷凍のままフライパンに放り込みます。

4)~6) は、あわてないように「湯を沸かしているあいだに」 のつもりで書きました。

が、わたしはパスタを茹で始めてからやってます。
太めのパスタなので十分間に合いますが、
慣れてなかったり焦っちゃうタイプの方は、湯を沸かしているあいだ
 (=パスタを茹で始める前) に 6) までを済ませておいた方が無難かな。

パルミジャーノを削るのは早くやっておいた方がいい。

7) パスタを茹で始める(上に書いたように、ここから4) をはじめてもかまいません)。
袋の指定より1分ちょっと短めに茹でます。

8) 6)のフライパンに生クリームと牛乳とジェノヴェーゼソースを加え、
沸騰したら弱火、
味見をして足りないようなら塩を(好みでジェノヴェーゼソースを)足す。

クリームソースは塩味をしっかりつけるべきですが、
パルミジャーノの塩気が最後に加わるので、ま、その辺は案配ですね。

9) パスタが茹で上がったらしっかり湯切りをしてソースの中に入れる。
やや強火でフライパンをあおる、できない人はトングで激しくかき混ぜる。

わたしは計ったことないですが、40秒以上はやってるんじゃないかと思います。
パスタにソースを食い込ませるためです
(パスタを皿に盛って上からソースをかけたらおいしくない)。

このとき好みでオリーブオイルをかけ回したり、少量のバターを加えてもいい。
下ろし際にパセリを加え、ひとあおりしたら皿に移す。


【完成】
パルミジャーノをかけて完成です。





2020年11月4日水曜日

「藪の外」——『相棒』Season19

 (ネタバレあります)

「こてまり」の女将小手鞠 (こてまり) について、前回の批評で

  今度の女将は元芸者の女狐だぜ。
  そんな相手に右京と亘はうかつなことはしゃべれないでしょう。
  「こてまり」は右京にとって「憩いの場」にはなりえないんじゃないですか。

とコメントしたからには今日のエピソードに触れないわけにはいかない。
わたしから見ると物語上この上なく扱いにくい役柄である小手鞠を脚本家がどう処理するんだろうか、そこに興味があったわけです。


小手鞠の後輩芸者、叶笑(かのえみ)。
彼女は15年前暴漢に襲われたが、
すぐ近くで偶然起きた窃盗事件に駆けつけた警官に救われた。

右京と亘は、小手鞠によって叶笑に引き合わされ、
彼女の身辺警護 (?) を依頼される。

その前夜、15年前に叶笑を襲った男(久我山)が殺害されていた。

右京は殺害現場の神社で凶器のかんざしを発見し、
そのかんざしから叶笑の指紋が検出される。

しかし、叶笑の得意客吉岡も怪しい。
犯人は叶笑なのか吉岡なのか?


大筋のストーリーは以上のようなもの。


事件の真相はけっこう手の込んだもので、
推理ものとして凡庸ではないレベルだと思う。
それなりに楽しんだ。


とはいえ。

右京が指摘していることだけど、
右京たちを叶笑に引き合わせた前夜に
久我山が殺害されていたことを小手鞠は知っていた。

どのように、なぜ?

もちろん前夜の出来事を叶笑は小手鞠に話していただろう。
だけれど、
叶笑はかんざしで久我山の顔を切り裂いただけであって、
久我山が殺されたとは思っていない。

そこが最大の謎。

それを推理ドラマとしての疵(きず)と考えるかどうかが、今日のエピソードの評価の分かれ目だと思います。

疵と考えるのは正当だと思う。
だけれど、
わたしは好意的に受け取ることも可能だと思う。
そしてわたしはあえて好意的に受け取りました。


タイトル「藪の外」が芥川龍之介『藪の中』を下敷きにしていることは言うまでもない。
暴漢による暴行 (ここでは未遂) 事件。
それに現場に残されていたのがかんざしであることは
「『藪の中』を下敷きにしてまーす」と宣言しているも同然。

その観点から見ると、二つのことが言えますね。

上に書いた小手鞠の不可思議は、
芥川龍之介の「オープンエンド」
(はっきりと決着をつけないこと。これについては『鮎川教授最後の授業——「相棒」Season13』で説明しました。興味があればブログ内検索してお読みください
を意識的に継承しているということ。
わたしはそう好意的にとりました。
もちろん、推理ものの疵ととってもかまわないと思いますが。

ふたつ目は。
『藪の中』を下敷きにしているのであれば、
もっと皮肉な視点から事件を描いて欲しかった。
芥川龍之介の複眼的視点を承知の上で、あえて純愛ものにしたのだとは思うのだが。
(あえて純愛ものにしたことをうーーーーんと好意的にとれば、
「『藪の中』のオープンエンドとわたしの脚本は違うんだ。だから『藪の外』にしたんだ」
ということなんでしょうね)


で、最初に書いた小手鞠さんの扱いについてですが。

小手鞠の新たな側面は出てきませんでしたね。
後輩思いではあるが、相変わらずの女狐 (めぎつね) でありました。


ついでに書くと。

最近の伊丹巡査部長の特命係への嫌みな態度は度が過ぎて不自然。
だってこれまでの『相棒』を見ていれば、
伊丹が右京への屈折してはいるけれど敬意を醸成していることは明らかでしょう。
ステレオタイプの度が過ぎてる。

そして出雲麗音さん。
どう処理していいのか、脚本家のとまどいが出てると思いました。


Season19、小手鞠と伊丹と出雲麗音、この三人をどう扱うかが今後の勝負所だな。