2021年2月3日水曜日

あとだしジャンケン——「薔薇と髭の悲運」『相棒』Season19

貿易会社社長・速水丈二が殺害される。
殺害された同夜、速水はヒロコのゲイバー「薔薇と髭」で飲んでいた。
翌日、ヒロコは何者かに階段から突き落とされる。

二つの出来事の関係はあるのか?

そういうストーリーでした。

これまで『相棒』を見てきた人には、かなりはじめの段階で犯人がわかってしまう。
まあ、それはいいとしよう。

だけれども。
推理ドラマとしての論理を考えると、右京が犯人を疑い始めたきっかけはなんなのか?
それがバーでのヒロコと右京たちの会話シーンに居合わせた犯人の反応で、そのことがなんと番組かなりあとの回想シーンではじめて明かされる。
犯人が、やめさせられた以前の会社で経理を担当していて会社の経理に精通していたこと、
速水丈二の会社の二重帳簿に気づいたこと、
その二つが視聴者に明かされるのもあまりに遅すぎる。
これはあとだしジャンケンじゃないの?

きちんと情報を与えられない状態で、右京の「見事な推理」を披露されたって視聴者はしらけてしまう。こんなあとだしジャンケンならどんな推理だってありということになる。

そして「薔薇と髭の悲運」という何のひねりもないださいタイトル。
今回はヒロコのキャラクターに寄りかかっただけの文句なしの駄作ですね。


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