蒲田にあった 「聖兆(せいちょう)」というすばらしい中華の店のことはこのブログでも触れたことがあります。
わたしの見たところでは
「イタリアンの本歌取りをした遊び心あふれる中華」でした。
「イタリアンの本歌取り」がどういうことなのかは、
すでに書いた投稿を見て下さい。
腕は確かなんだけれど、決して気難しい料理じゃない。
すばらしい店だったのだけれど、
京急蒲田駅の区画整理でなくなってしまいました。
そこのシェフが大森に店を出したのは知ってた。
今日ようやく行く機会ができました。
「くろさわ東京菜」 。
期待にたがわずおいしかった。
「聖兆」より冒険控えめの印象ですが、
それでもひとひねりくわわった愉快な中華でした。
今日のお勧めで大皿に満載のきのこを見せに来た。
これを炒めてもらう。
名前を忘れてしまったけれど、
日本のポルチーニがあって、それ以外は恥ずかしながらすべて聞いたことのないきのこ。
おいしい。
たまたま今日はきのこのプリントのシャツを着ていったのでまさにタイムリー。
蒸し鶏のごまだれ。上品。
「カツオの叩きくろさわ風」は圧巻だと思った。
まわりの火を通した部分が明らかにふつうのたたきじゃない。
高温に熱した中華鍋でバリンッとさせている。
カツオの叩きにひねりをくわえたものはいろんな店で出してる。
カルパッチョ風にオリーブオイルとバルサミコとか。
でも火の通し方でひねりを加えたのは意表を突く。
炭火とは違う味わいがあります。
たっぷりの小ネギにオキアミのソースも独創的。
それを活かすためか、カツオをふつうより厚く切ってます。
豚肉の豆鼓炒め |
メインの肉は
「豚の豆鼓炒め」と「ラムのスペアリブ」。
とろっとろのスペアリブ |
ラムのスペアリブはとろとろでほっぺたが落ちる。
野菜が足りないので
「野菜の中国オリーブ炒め」を頼みました。
これもおいしい。
前の店「聖兆」でいちばん印象に残ったのが
「メカジキの麻婆豆腐」。
すでに書いたことですが、
イタリアンのメカジキのラグーパスタを
お茶目にひねった料理で、
ラグーが麻婆、パスタが豆腐、という見立てがしゃれてました。
「くろさわ東京菜」にそれはなかったのですが、上に書いたような「メカジキの麻婆豆腐」の話を店員さんに話したら、勧めてくれたのが
タコを使った中華そば(メニューに出ている名前は忘れました)。
わたしのことばで言えば、「タコのラグーそば」。
これもうまい!
デザートの杏仁豆腐で締め。
ワインの価格設定がちょっと高めかな、というのが唯一の不満。
わたしは中国人が作る荒っぽい大衆中華も好きです。
ここはそれとは違う系統の文化の香り高い「愉快な中華」です。
塩味も控え目。
杏仁豆腐。 ドラゴンフルーツを添えてある。 |
満足満足。
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