2014年2月5日水曜日

犯人の迂闊か、脚本の迂闊か?——「顔」『相棒』Season12

(ネタバレあります。注意)

今日の『相棒』の「顔」、悪くなかったと思います。
思うのだけれど、腑に落ちない点が二つあります。

登場人物の名前の記憶があいまいなのでA,Bとしておきます。
整形手術でAと同じ顔になった男Bが殺されるというストーリーなのですが。

ひとつ目は。
Aをゆすっていた男が、Aの会社の前でAと出会ったときに「あなたがどなたか知らない」と言われるのですが、このAが、A本人なのかBなのかが曖昧です。

理屈から言えばBであるはずがない。
BはAの死後に整形手術を受け、その後、Aの上司と整形医に連れられてはじめてAの会社に行ったときに殺されているからです。
でもA本人なら、殺される前のはずなので「あなたがどなたか知らない」というセリフの説明が不足しています。それまでAは言うなりに金を払っていたのに、この豹変した態度は何なのか?

そこが腑に落ちません。



ふたつ目はもっとおおきな難点。
靴です。

Bが履いていた靴から右京はBにたどり着きます。

その靴はAの部屋の靴箱に置いてあった。
Aは靴のかかとを踏みつぶす癖があって、靴箱の他の靴はかかとがつぶれている。

犯人は会社でBを殺したあとで死体をAの部屋に運び、
あたかもAが自殺したかのように工作している。

犯人はBの靴を脱がせて靴箱に入れているはず。
上司である犯人は、Aが靴のかかとを踏みつぶす癖を知っていただろうし、
百歩ゆずって知らなかったとしても、
靴箱を開けたときに他の靴のかかとがつぶれていることに気づいたはず。

異質なBの靴をなぜ靴箱に入れたのか。
廃棄するのがふつうだと思う。

「犯人が迂闊だった」という説明は一応成り立ちます。
成り立ちますが、その迂闊に右京が気づかないのは迂闊。
だとすればやはり脚本の迂闊ではないでしょうか。



疑問を書きましたが、他の凡百の刑事ドラマとは一線を画す質の高さはあります。


それと。
前回から成宮寛貴の感じが少し変わった気がします。

なんと言うのでしょうか、
柔らかく右京に寄り添うような感じが出てきました。
今回はシャツの襟の形も今までとちがってた気がする。

最初に登場したときの違和感が薄れてきた。いいぞ。






2 件のコメント:

  1. もう一つありました。犯人がBを考察しているシーンがある。死体をAの部屋に運び、首つり自殺に見せかけているわけですが、絞殺と首つり自殺の見分け方は犯罪捜査の初歩の初歩ではないでしょうか? この点(首つり自殺ではないと明白にわかるはずだという点)も迂闊だと思います。脚本家、がんばって下さい。

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  2. 「考察」→「絞殺」でした。失礼いたしました。

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