2013年3月11日月曜日

四川風麻婆豆腐


 言うまでもなく、陳建民が日本に広めた料理。
 1985年に出た陳建民・健一『中国の家庭料理入門』(『暮らしの設計』167, 中央公論社)では、肝心のポイントをぼかして書いてあった。

 わたしは、旧「料理の鉄人」で陳健一が仕上げに大量の山椒を振っているのを初めて目撃した。今では常識だが、その頃はまだ知られていなかった。
ま、四川飯店で食べた客はわかっていたとは思うが。

 陳健一は「料理の鉄人」を通じてものすごく変わったと思う。
以後の本では山椒を振るのをちゃんと書いているし、テレビでも大事なポイントを公開するようになった。レシピを開かしたってぜんぜん大丈夫、という自信がでたのではないかと思っている。



 今日は、荒々しくスープ少なめで作りました。四川のおっさんが安いホーローの食器なんかにガーーーっと盛って、地べたにしゃがみ込んでかき込むイメージ(実際に見たことないけど)。

 ふつうはもうちょっとスープがあった方がいいと思います。
ですので、分量のガラスープは写真のより多めです。

左端が四川豆板醤。今日はふつうの豆板醤を半分にして
手前の麻辣醤を半量使った。
やっぱり「四川豆板醤」はあった方がいい。ふつうの豆板醤より色が濃くて、同量の水で練り溶いて使う。ネットで買えます。

それとふつうの豆板醤も併用する。
これが難しくてメーカーによって塩加減が違う。
ま、味見すればいい話ですけど。

それと、気合いが必要ですが
豚挽肉ではなく、羊のロース肉の塊を中華包丁でガンガン刻むのが本式のようです。
そのうちやってみよう。今日はもちろん市販の豚挽肉です。
ただし、
餃子の挽肉は脂身が多い安物の方がおいしいのですが、麻婆豆腐は脂身が少ない方がおいしいです。



四川風麻婆豆腐の作り方


《材料(4人前)》
木綿豆腐    1丁半
豚挽肉     300g
白ネギ     1本弱
紹興酒     適量
オイスター・ソース  適量
ゴマ油または鶏油    適量
片栗粉     適量を水に溶いておく
サラダ油    大さじ3
ニンニク・ショウガ  各1片
ガラスープ   300cc


(ソース)  
四川豆板醤   大さじ1杯半
豆板醤     大さじ1杯
甜麺醤     大さじ1杯
豆鼓(トウチ) 大さじ1杯半
醤油      大さじ1杯半


 【1 材料の準備】 
 (1) ネギ、ニンニク・ショウガ、豆鼓はみじん切りに。
わたしは白ネギの青い部分がけっこう好きでよく使います。
 (2) 木綿豆腐は1.5cm を目安に切って中火で茹で、ザルに空ける。
重しで水切りをしたあと切るというやり方もありますが、わたしは最近面倒くさくて茹でてしまいます。いずれにしろ、豆腐を固くするわけです。


【2 炒める】 
(1) 中華鍋を煙が出るまで熱してからサラダ油を入れ、油が熱くなってから挽肉を入れる。強火です。
パラパラになるまで炒める。これ、かなり重要です。
パラパラになったら挽肉を脇に寄せて、空いたところにニンニク・ショウガを入れ、一呼吸したら挽肉と混ぜる。ニンニク・ショウガをあとから入れるのはけっこう大事です。

(2) ソースを加えて炒める。
肉にしっかり味をしみこませます。目安は油が透明になるまで。焦げつきそうなら火を少し弱めてもいい。


【3 豆腐を入れる】 
(1) スープを加え、豆腐を入れます。
ここから先は、杓子で豆腐をできるだけいじらないようにする。我慢して最小限触るだけ。触るときは杓子の背を使う。
(2) 紹興酒とオイスター・ソース(あくまで控えめ)で味を調える。


【4 仕上げ】 
(1) ネギを加え、そーーーっとひと混ぜしたら水溶き片栗粉を加える。
ここから大事なポイント。
とろみがついてもすぐに火を止めない。杓子で優しく混ぜながらしばらく(15~20秒くらい?)我慢する。
(2) ゴマ油または鶏油を加え、大量の粉山椒を振って完成。




0 件のコメント:

コメントを投稿