2012年7月15日日曜日

日本をインドにしてしまえ!


♫ インドでいちばん会いたい人はー
ラジャー、ラジャー、マハラジャー♪


というわけでインドカレー(チキン)。もう1000回近く作っていると思うので、わりと自信ある「魔法の料理」です。

ふつうのカレー(洋風カレー)との違いは、
小麦粉を使わないこと(「ハウス・ジャワカレー」などのカレールウには小麦粉が入っています)。そして煮るのではなく炒めて作る点。

若い頃はかなり凝って、ホールのスパイスを石臼で挽いたりしていましたが、今は手を抜けるところは抜いています。市販のガラム・マサラ(合わせ香料)も、カレー粉も使っています(もちろんカレールウではない)。
ブラインドで食べれば違いはわからん(と思う)。

味つけも、昔は豆鼓(トウチ)やら蝦醤(ハージャン)やらを加えて
「複雑な味」を目指していました。
最近は基本的には塩味で、適度な隠し味を加える程度の
「シンプルな味」が気に入っています。


インドカレーは油がかなり入った高カロリー食です。油が少ないとスパイスが死ぬので絶対にまずい。

だから、油を何にするかはかなり重要です。
ギーやらオリーブオイルやらいろいろ試した結果、ここ数年はグレープシード・オイルを使っています。


インドカレーの肝は辛さではなく香りだと思います。
辛くしたければカイエン・ペッパーをたくさん放り込めば簡単です。

ビンダルウ・ペースト
若い頃は酢漬けのハラペーニョを酒の肴にしていたくらい辛い物好きですが、わたしのカレーは「まあ辛い」くらい。家族が激辛苦手なので。

で、食べるときにわたしだけ朝岡スパイス株式会社の「ビンダルウ・ペースト」というやつを混ぜます。味わい深いインド風の辛みです。



スパイスは必要最低限の種類にしてあります。
割合は好みによるので、何度か作って加減して下さい。わたしはコリアンダー・シードを一番多く入れます。カルダモンはふつうの人より多めだと思います。


おいしく作るコツは、底の厚い鍋を使うこと
焦がさないように玉ネギとスパイスを炒めて、それでも少しずつ焦げていって、おいしいルーができていきます。底の薄い鍋だとそれがうまくいきません。


かならずエプロンをすること
カレー粉にはターメリックが入っています。「ウコン染め」に使うくらいですから服についたらカレー色が落ちません。



それから作ったあとで髪を洗うこと
香りの強いスパイスを大量に入れた鍋をのぞき込むので、
「カレーの皿が歩いてるのか!?」というくらい匂いがつきます。



できたてを食べるより、一晩置いた方がスパイス類がなじんで渾然一体の味になります。それで、2〜3食分の分量にしました。



インド風チキンカレーの作り方(8〜9皿分)

《材料》
タマネギ(大玉)  6~7 個
セロリ       1 本
ニンジン      1 本
トマトの水煮缶   1 缶
鶏腿肉(あれば骨つきブツ切り) 500~600g


米(できればタイ米)3合

ニンニク         2 片
ショウガ      4~5 片
プレーン・ヨーグルト  大さじ 2 杯くらい
「インディアン」の
カレー粉
乾燥トマト     2 枚(オイルづけじゃないもの。なくても可)

グレープシード・オイル  カップ1杯強
豆板醤       大さじ1杯
塩         適量(食卓塩ではなく、おいしい塩を                 使う)
隠し味       醤油、オイスター・ソース(控えめ                   に。なくても可)


《スパイス類》
カレー粉 (わたしは「インディアン」というメーカーのカレー粉を使っています。これだと大さじ山盛り2~3杯)


多いもの(大さじ1杯半) ガラム・マサラ(合わせ香料。なくても可)
            コリアンダー・シード、クミン・シード(ホールと粉)
やや多め(大さじ1杯)  カルダモン
中くらい(大さじ1杯弱) ナツメグ、シナモン、オールスパイス
控えめ(小さじ1杯)   クローブ、カイエン・ペッパー、黒胡椒
少量のハーブ       マージョラムまたはオレガノ


【1 材料を切る】
・ニンニクは縦半分に切って芽の部分を取り除いて薄切り。
・ショウガは針ショウガに。
わたしはショウガを洗って適当に切り分けて冷凍しておきます。半解凍の時に切ると細かく切りやすい。皮の部分が香りが強いので、わたしは皮をむきません。
当然色は悪くなるので、各自で判断してください。
・タマネギを薄切りにする。
・セロリを刻む。
わたしはセロリの葉と葉に近い部分を洗って保存袋に入れ、冷凍しておきます。凍ったまま、袋の上から手でつぶすとけっこう粉々になります。
・ニンジンはおろし金ですり下ろす。
当然ですが、鶏肉はかたまりの場合、切る。

【2 カレーソースを作る (1)】
厚手の鍋にグレープシード・オイルをカップ1杯入れて火をつける。
・ホールのクミン・シードを入れ、中火でクミンがはじけ始めたら、ニンニクすべてとショウガ1片分を入れる。
・油に香りが移ったなと思ったら、タマネギとセロリを入れ、中火で炒める。塩大さじ1 を振る。


【3 カレーソースを作る (2)】
・タマネギが透明になり、カサが減ったらスパイス類を入れ始める。少し火を弱める
・まずカレー粉。色が薄いので心配になるかもしれませんが大丈夫です。
スパイス類を加えてじっくり炒めるうちに色が濃くなります。
・混ぜながらスパイス類を投入していく。ガラム・マサラとカルダモンは上の分量の半分を使う。
・焦げつきやすいので鍋底をさらうように炒める。お玉ではなく、底をさらえるような形のものがやりやすい。油が足りないと思ったら、少しずつグレープシード・オイルを加える。


・色が濃くなったら(20~30分か?)ソースはほぼ完成。
・あ、米を炊くのを忘れないように!


【4 鶏肉を入れる】
・鶏肉を入れる。昔はフライパンで炒めてから入れていましたが、味の差が感じられないのと、めんどくさいのとでパックからそのまま入れています。ひどいときには冷凍のまま入れたりする。
「サンテティエンヌ」
おいしいラムです
・その代わり、と言っては何ですが、わたしはこのときラム酒を大さじ1杯加えます。透明な「ホワイト・ラム」ではなくて、飴色をした本格的なラムです。
今日はマルティニーク島のラム「サンテティエンヌ」を使いました。
(ラム酒を常備している人は少ないでしょうから材料表には入れませんでした。カレーのためにラム酒を買うのも変な話ですし。)
・鶏肉に火を通しながら、乾燥トマトを調理ハサミで切って入れる。豆板醤大さじ1を入れる。


【5 ソースをのばす】
・トマトの水煮缶を加える。空けた後の缶に水を半分入れて鍋に加える(缶を洗う手間が省ける)


・すり下ろしたニンジンを加える。
ニンジンは意外にデリケートな食材だと思います。
ミキサーで細かくしたのも、カレーソースを作る途中で入れたのも失敗。なぜかわかりませんがえらくまずくなります。ちゃんとすり下ろして、ソースをのばすときに入れないとだめなようです。

・水を加え、沸騰したら弱火。焦げつかないようにときどき鍋底からかき混ぜながら、味の調整をする。酸味が強すぎるようだったら、ヨーグルトを入れるのはやめる。
・鶏肉と野菜類で味はしっかり出ていると思います。中華ガラスープの素を小量入れてもいいですが、わたしはいい塩だけの味の方がおいしいと思います。
ほぼ完成
・物足りなければ、隠し味の醤油・オイスター・ソースを控えめに入れる。
でも味つけの基本は塩です。


【6 仕上げ】
米が炊けたら、カレー鍋にガラム・マサラとカルダモンの残りの分量を入れてひと混ぜする。
・皿に盛ったら、ショウガを上にのせて完成。
福神漬けは合わない。ラッキョウのみじん切りは合います。
・デザートは、プレーン・ヨーグルトに蜂蜜とカルダモンを混ぜたもの。マハラジャ気分になれます。♫ ラジャー、ラジャー、マハラジャー♪

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