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2014年8月23日土曜日

2014夏・ギリシア(その1)


家族3人でギリシアに行ってきました。
移動時間が長いので実質は4泊5日。

わたしのこれまでのギリシア旅行は、
1990年の夏、ひとりで1ヶ月ギリシア旅行。
そしてK先生企画の2週間のツアーに2回。2回とも年末年始でした。
(2回目のこのツアーについてはこのブログのいちばん最初に9回にわたって詳しく書きました)

わたしは4度目ですが、妻と娘はギリシアはじめて。
ですから、あまりせわしくなく、しかし限られた日数で目玉は押さえるような計画を立てました。

お膳立てされたツアーと違って、自分たちで動かなければならない分、
ツアーではわからない発見もけっこうありました。


以下は備忘録を兼ねた旅行記。
ギリシアを旅行する方の参考になれば幸いです。



その前に、エミレーツ航空のことを書かなくては。

安かったのでアラブ首長国連邦のエミレーツにしました。
利用するのははじめて。
ドバイでの中継で4時間待ちます。
それが難点なのですが、それ以外はけっこう満足。

CAの制服がかっこいい。ベージュのスカートのプリーツ内側が赤。
赤い帽子に、はすかいにかけた(と言うのでしょうか、右から顎の下を通って左に絞ってまわしている)白いヴェール。
このヴェールがいかにもイスラム圏らしいおしゃれな感じです。

機内食まあまあ。
赤ワインが2種類あって、特にスペインのリオハの赤はおいしかった。
機内キットにはアイマスク・靴を脱いだとき用の靴下・歯磨きセットが入っている。
機内のサービスも良い。BAなんかと大違いです。

(脇道ですが、アリタリア航空は別の意味でサービスよかった。CAたちがペチャペチャしゃべりどおしで「うるせーなー」と思っていたのですが、みんなが寝てるときにワインが飲みたくなって最後部のCAの詰め所に行って「赤ワインをくれ」と言ったら、ニッコリ笑ってフルボトルを1本差し出してくれた! さすがワインの国、とてもおいしい赤でした。ドリンクサービスの赤とは違う奴だった気がする。自分たち用だったのか?)



ドバイ空港は石油長者国にふさわしい近未来的な巨大な建物。
成田に帰り着いたとき「あ、田舎の空港だ」と思ったくらい。
エアコンががんがん効いてます。
アラブ系・黒人・白人・アジア系とさまざまな空港職員がかなりの数いてみんな親切。
イタリアの空港では考えられないくらい治安がいい。
(向かいの寝椅子にいたイスラム圏の女性三人組は荷物をしばらく置きっ放しにしてファーストフードを買いに行ってました。真似しないようにね)
熟睡してる人もかなりいる。それくらい安心です(でももう一度書いときますが、安心しすぎないでね)。

離陸したあと、見下ろすアラビア砂漠がピンク色なのにびっくりしました。


では旅行記本編に入ります。




8月16日 アテネ


午後、アテネの空港に到着。
地下鉄でホテルに向かいます。

今回の旅行で、アテネは地下鉄が便利だ、とわかりました。
特に夏は強烈な日差しから逃れられてうれしい。


ただしいろんな旅行案内に書いてあるとおり、スリには注意。あやしいのがけっこういます。娘は体の前に抱えていたバックパックのジッパーを、ローティーンの少年に開けられました(金目のものは何もはいっていなかった)。わたしがにらみつけたせいか、発車前だったので少年、ドアを飛び出して脱兎のごとく走って逃げていきました。

わたしたちが出会ったのはそういうレベルのスリくらい。イタリアのような集団で手の込んだスリには出会いませんでした(あくまで数日間の体験にすぎませんが)。
用心を怠らず、胸を張って堂々としていることが肝要かと思います。



ホテルはシンタグマ広場すぐそばの「アレトゥーサ」。
雰囲気まるでなしのそっけないホテルですが、何より場所が便利だし、従業員は親切。
警察署が向かいにあるので治安も安心(夜、パトカー、というより装甲車みたいな奴、のエンジン音がうるさかったですが)。

デルポイに一泊出かけるときも、最終日にアゴラを見物するときも、
チェックアウトのあとスーツケースを預かってくれました。
「預かる」と言っても、ま、地下に積んでおくだけなんですが。
みんな勝手に積み上げては引き出し、という感じです。
(もちろん貴重品を入れるべきでないのは言うまでもありません)



アクロポリス登り口。
雲一つない空に強烈な
日を浴びて柱が輝く。
パルテノン神殿。
修復中で風情がいまひとつ。
チェックインのあと、プラカ(土産物屋やタベルナが並ぶにぎやかな旧市街)を冷やかしながらアクロポリスへ。

やはり夏のギリシアの日差しは強烈です。
日本と違って湿気がないので不快ではないのですが、その分、汗が出るそばから乾くので汗が出ているのに気づかず、脱水症状に陥る危険性があります。
ミネラルウォーター必携
500mlでたいてい50ユーロセント。
日陰に入ると気持ちいいのですが、アクロポリスに日陰はほとんどありません。

アクロポリスから見下ろすアレスの丘(中央の岩山)
麓に、ギリシア悲劇・喜劇が上演されたディオニュソス劇場、長老たちが殺人事件の裁判をした「アレスの丘(アレオパゴス)」を見下ろせます。
向かいにはフィロパポスの丘、(方角は違いますが)リュカベットスの丘。
広がるアテネの街、さらに遠くには、プラトンの哲学学校アカデメイアがあった林まで見渡せます。


パルテノン神殿を見終わって下ったところに
「Frozen lemonade! 」
とおっさんが連呼している店がある。

「水はないのか?」と尋ねると「ない」。
仕方なく買ったレモネード、熱した体にしみ通っておいしい。
ビッグサイズです。
わたしたちのあとからも「水はないのか?」「ない」「ではレモネードを」という客がけっこういた。夏は大繁盛まちがいない。アクロポリスに登る前にミネラルウォーターを購入しておいてください(遺跡内に売店はない。わたしたちは500mlのボトルをそれぞれ持っていましたがそれでは足りません。フローズン・レモネードを買うはめになります)。



アレスの丘
プラカにさしかかる
公園の猫
アクロポリスを出たあと、先ほど上から見たアレスの丘(アレオパゴス)を見、アゴラを見下ろしながらプラカの細い路地へと進みます。
この辺に来ると日陰が多いから楽。



プラカでいちばんにぎやかなキダシネオン通りやアドリアヌー通りよりアクロポリスに近い、やや静かなあたりでタベルナ(レストラン)を探しました。

「ト・カフェニオン」

古代ギリシア史を学んでいる後輩が教えてくれた店が2軒、道を隔てて並んでいます。
どっちもそれなりに良さそう。

悩んでもしょうがないので、下の方の店「ト・カフェニオン」(ΤΟ ΚΑΦΕΝΕΙΟΝ, 1 Epichalmou Street) の屋外テーブル(というか道路をたぶん不法占拠している。プラカでは当たり前なんですが)に座りました。

小さな店で客は地元の人ばかり。
近所のおばさんらしき人がテイクアウトで夕食のおかずを買いに来たりしてます。
絵になる店です(ギリシアのタベルナはたいていそうだけど)。
割に静かな環境で落ち着きます。




頼んだのは 
「グリーク・サラダ」 
「ザジキ」 
「ドルマデス」 
「ミートボールのトマトソース煮込み」の4品と白ワイン。 

どれもおいしかった。 

グリークサラダとザジキ
グリーク・サラダは、フェタという塩気の強いチーズを生野菜の上にのっけたもの。
どの店にもあります。ドレッシングはオリーブオイルと酢(あるいはレモン)、塩気はフェタです。オレガノなどの香料をしっかり効かせてある。

ザジキ(ヨーグルトソース)は、オリーブオイルと乳化させたねっとり濃厚なもの。黒オリーブ、ケーパーをあしらっている。 これをパンにつけて食べます。
(ギリシアでは注文しなくても最初に籠いっぱいのパンが出てきます)


冷やしたドルマデス(ブドウの葉で米や野菜を包んだギリシア風ちまき)、とてもおいしい。ブドウの葉が柔らかい。(興味のある方は「ドルマデスの作り方」を参考にしてください)。


「ト・カフェニオン」の猫
ミートボールのトマトソース煮込みがすばらしかった!!! 

ミートボールは外がカリッとしているのですがフォークを当てるとホロリと崩れます。 

トマトソースが上品に甘くて味わい深い。 

家族と「ハチミツを加えているんじゃないか」という話になったので、

「トマトソースに蜂蜜を加えているのか?」 
と聞いてみたら、 

「いや、フレッシュトマトだけだ。6時間煮込んでいる。どの店にも負けない」 
と答えました。


ここの Malvazia Aromatica(マルヴァジア・アロマティカ)という白ワインが抜群においしかった。 

口に含むといろんな花の香りが鼻に抜ける、豊かな味わいの白。 あまり経験のないタイプの白です。

あとで酒屋で探したのですがみつかりません。メニューの写真を撮っていたのであとでよく見ると、「ト・カフェニオン」特注のスペシャルもので酒屋では買えないようです。
赤ワインで有名なネメアの産。ネメアは白もおいしい! 


ギリシアのワインは、赤も白もシャブシャブしていて、料理といっしょにザブザブ飲む軽いもの(悪くいえばたいしたことない田舎ワイン)という印象が強かったのですが、 今回の旅行でギリシアのワインの認識を新たにしました。 

「ト・カフェニオン」のだけでなく、意外にしっかりブーケとボディーがある。 
ただの田舎ワインばかりじゃないんだ、ということがわかりました。 


あ、そうそう。 
「ト・カフェニオン」はパンもとてもおいしかった。 


7時頃入店したときはまだ明るかったのですが、
ゆったり食事を終えたときには店の入口の灯りがともっています。



暮れなずむプラカをぶらぶらしながらホテルに向かいます。

途中、なかなかいい落書き(塗装?)の小路に行き当たりました。
見上げると靴が右写真のように干してあります。
(なんと二日後に通りかかったときも靴は干したままだった!)








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