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2013年12月14日土曜日

げんこつ酢豚

紅虎餃子房(べにとらぎょうざぼう)はときどき行きます。

不思議な中国料理店。
コンセプトがけっこう変わる。
チェーン店ですが場所ごとにも変えているのかもしれません。

10数年前、渋谷の東急文化会館近くにできたばかりの頃はよく通いました。
その頃は
「中国の大衆料理屋」
というコンセプトだったように思う。

中国人の料理人がうるさく音を立てて元気よく鍋を振っているのがカウンター席から見えた。

やや汚らしい(不潔ではなかった。コンセプトとして「汚らしく」演出してたんだと思います)店内はギュウギュウ詰めで当時はまだ店内でタバコが吸えた。
灰皿が富士オイスターソースの空き缶で、それがいかにも「大衆料理屋」風で好きだった。

(その影響で富士オイスターソースを使うようになった。李錦記(リキンキ)のもそれなりにおいしいのだが、粘度が高くて、炒め物の仕上げに入れるときになかなか出てこなくて往生します。富士のはシャブシャブで使いやすい。味も好きです。紅虎とは違って、缶ではなく瓶を使ってます)

担々麺とか鉄鍋餃子は定番メニューで変わってませんが
メニューもそのときどきで変わる。

初期のメニューでなくなってしまったのは「あさりの焼きそば」。
アサリと青ネギをたっぷり入れてニンニクを効かせ、味つけはオイスターソース。
下品なおいしさがあって大好きだったので残念(しかし自分で再現してときどき作ります。自信作なのでそのうちレシピをアップする予定)。

げんこつ酢豚はどちらかというと新しいメニューだと思います。
鎮江黒酢(ちんこうくろず)
うまいです

文字通り、拳骨くらいの肉の塊の酢豚。
黒酢を使ってます。
店の空間がすっきり広々してから出てきたメニューの気がします。


これを自分流にアレンジ。

酢豚は肉を油通ししてから作るものですが、
「げんこつ酢豚」を食べて、
どう考えても油通しだけでこんなに柔らかくなるわけがない、絶対に一度蒸しているはずだ、と思いました。
そこで圧力鍋で蒸すことにしました。


拳骨までは大きくしませんでしたが、
作ってみて、肉が大きいのには理由があることがわかりました。
特に黒酢を使う場合、ソースが酸味と甘みの強い味ですから、肉が小さいとしつこくなる。
肉を大きくすることでソースとのバランスが良くなるのです。
それでもげんこつは大きすぎると判断して写真くらいの大きさに。

甘みは砂糖ではなく、オレンジマーマレードを使うことに。
そこがわたしなりの工夫かな。
元来、豚肉はあんずやオレンジなどの甘い果物と相性がいいからです。


濃厚なソースにからまった大きな豚ヒレ肉が口の中でホロリとほどける。
おいしいぞっ、げんこつ酢豚。

食感の変化をつけるためにわたしはシャキシャキしたクワイを合わせます。
タケノコとか、赤ピーマンを入れてもいいと思いますが量は控えめがいいと思います。

はじめて作った今回はソースの量が少なかったな。
分量は写真より多めにしてあります。
(正直に言うと、この配分はまだ決定版ではありません)



黒酢のげんこつ酢豚の作り方


【材料(3人前)
豚ヒレ肉の塊     300gくらい
 溶き卵       1/2個分
 片栗粉       大さじ3
 水         大さじ1杯半
 塩・胡椒        適量
揚げ油

タマネギ       1/4個(写真は半個。多すぎた!)
くわい(水煮缶)   10数個

サラダオイル     大さじ3
仕上げの葱油(またはゴマ油) 適量
  ※葱油は、サラダオイルに粒山椒、青ネギの葉の部分、ショウガのぶつ切りを入れて
  中温で香りをうつしたもの。常備しておくと炒め物がひと味レベルアップします。

《ソース》
長ネギ        少々
黒酢         大さじ3
オレンジマーマレード 大さじ1杯半
醤油         大さじ2
紹興酒        大さじ3
鶏ガラスープ     大さじ3
ショウガ       1片
片栗粉        大さじ1.5を水大さじ3で溶いておく



【1 豚肉を蒸す】

豚ヒレ肉を3つくらいに切り、水を浅めに張った圧力鍋で20分蒸す。
(圧力鍋がなければ蒸籠で蒸す。強火で40分くらい?)

その間に他の材料の準備をします。

タマネギはおおざっぱに切る。
(赤ピーマンを使う場合はヘタと種を取って縦8つ割りに。タケノコ水煮は薄切りに)

長ネギとショウガを刻んで他の材料と混ぜ、ソースを作る。
オレンジマーマレードは甘さがさまざまなので、ソースを嘗めてみて量を加減する。


【2 豚肉を揚げる】

(1) 圧力鍋が冷えたら豚肉を取り出して、好みの大きさに切る。
げんこつより小さい。
これが最小限だと思います。

(2) 塩、胡椒、溶き卵、水の順に加え混ぜます。
蒸した豚肉は崩れやすいので、そーーーっと扱って下さい。

崩れてしまった小さい肉は、最後にひとまとめに固めるようにします。

(3) 中温の油で豚肉を揚げる。蒸してあるのでそれほど長く揚げなくてよい。
取り出して油を切ります。


【3 炒める】

本文にも書きましたがソース少ないな。
タケノコも少し欲しい。
中華鍋を煙が出るまで熱したら油を入れ、タマネギを炒める。
(赤ピーマン、タケノコを加える場合には20秒後くらいに足す)

ソースとクワイを加えて煮立ったら、
豚肉を加えて絡ませる。

仕上げに葱油(またはゴマ油)をかけ回して完成。










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